いちょう並木を抜けて冬へと走り出そう

季節と音楽が密接に結びついて思い起こされることがあります。
最近はあまり音楽も聴いていないけれど、今までに聴いてきた音楽が、「季節定番」として「春」「初夏」「盛夏」「晩夏」「秋」「冬の入り口」「真冬」なんかのタグがついて自分の中にいる場合があります。
「夏」は苦手な季節でありながらも、夏のタグは細かい分類のような気がします。それに対して「冬」は割りと好きな季節でありながら寒がりな体質なため、ひたすら寒い寒いと思っていると思考も自由度が少なくなるのかして、タグの種類は少ない。
今の季節は、紅葉も散り際で、秋〜冬のタグつき曲が脳内に流れ出すことが多いです。というわけで、今日は、今の季節の自分の定番曲について書いてみます。

今の職場のPC画面の壁紙が黄金色したイチョウの葉で、そうなると小沢健二の『いちょう並木のセレナーデ』がド定番で思い出されます。この曲は(というかこの曲も収録された『LIFE』というアルバムは)自分の人生の中でもっとも聴いたアルバムのひとつなので、当然口ずさんでしまったりする瞬間も多い。周囲に人がいないのは確認しますが、歩きながらなんかだと、人が近づいてきてすれ違いそうな瞬間に声を絞って歌い続けたりなんかしてます、ええ。
今年の運をすべて使い果たして当選した小沢健二の「ひふみよ」コンサートにいったときも、この曲を聴くと秋の黄金色のイチョウ並木のイメージがぶわぁっと浮かびました。
『いちょう並木のセレナーデ』を聴いたことがある人はご存知のとおり「よなかにあまいキッスをして」という歌詞のあとで、オーディエンスの「フゥー」と囃すような盛り上げるような声が少し入っているんですよね。それを「ひふみよ」でも聴衆がちゃんと分かってるもんだから、同じタイミングで拍手と声で参加する、これを久々にライブで体験して、またぞくぞくとしてうれしくなったものです。
もう別れてしまった二人の、眠れないほどの思いを抱えていた、でも、二人で過ごしたかけがえのない時間を思い出して、というのが秋の夜長というシチュエーションにぴったりと合っていて、自分の中の「秋」タグの定番曲なのです。

そして、この季節になると思い出すのが、曲単位ではなくアルバムになるのですが、James Ihaの「Let It Come Down」です。誰それ、といわれれば、Smashing Pumpkins(以下スマパンと略します)のオリジナルメンバーでギターの人ってことで一応の説明になるかなー。
今もスマパンは復活してやってるみたいですが、Jamesはいません。彼はスマパン在籍時にこのソロアルバムをリリースします。スマパンといえば同時期にいたニルヴァーナの起こしたグランジの波の中心にいたバンドですから、まあ、オルタナティブロックバンドの代表格でハードな感じでしたよ。(音楽に詳しくないのでぼんやりしててすみません)
そんな中Jamesがソロで発表したアルバムでは、アコースティックなサウンドに彼の決して上手いとはいえないかもしれないれど、素朴な歌声が乗っているいるんですが、そのサウンド&歌声が絶妙に甘い歌詞にあっていて、ものすごくはまってアルバムを購入した時にずーっとリピートして聴いていました。曲は甘い甘いラブソングだらけ、タイトルだけ書いても
1. Be Strong Now   2. Sound Of Love    3. Beauty
4. See The Sun    5. Country Girl     6. Jealousy
7. Lover, Lover    8. Silver String    9. Winter
10. One And Two 11. No One's Gonna Hurt You
ですからね!あまいっす。
聴いていた時期は冬なんですがね、ジャケットのいちょうの黄金色の葉っぱのような黄色が印象深くて、自分の中で秋タグがついています。《amazonで確認すると2月の発売でした。でも自分の中では秋の深い頃によく聴いてたイメージがしていた。記憶が書き換えられてるパターンです》
で、アルバムジャケットでのJamesのそのたたずまいがまた素敵なんです(下のリンクでみてみてください)、沖縄出身の祖父をもつ日系の人なのでより親しみが湧いたのもあるかなー。
Jamesはのちに日本のCharaさんの曲のプロデュースや映画『リンダリンダリンダ』の音楽なんかもやっています。ソロアルバムはこの「Let It Come Down」しか出していない状態なので、2nd出して欲しいです。ぜひとも。

続いて初冬の現在、思い浮かぶのはかせきさいだぁの「冬へと走り出そう」です。
かせきさんの1stアルバムに入っているこの曲が大好きです。さぁアスピリン片手のジェットマシーン!そんな気分なのです。
そして、「冬へと走り出そう」といえばAztec Cameraの「Walk out to winter」が芋づる式に連想されます。この2曲のタイトルが浮かぶため、冬といえば走ったり歩いたりしているイメージです。ちなみに「Walk out to winter」は12インチver.だと思うのですが、歌がはじまるまで延々とながーいバージョンが好きです。ひたすらワクワク感が高まるというか、白い雪ふみふみ歩くスピードが徐々にあがって駆け出しそうにテンションあがっていくみたいなイメージが沸いてくるような感じがします。
そして最後にサニーデイ・サービスの「白い恋人」。や、これは全然冬の歌じゃないです。ただ単に自分の脳内連想ゲームが
白い恋人→北海道みやげ→北海道といえば寒いし白い恋人って雪っぽいし→冬
というふうに連なるからなのです。歌詞だって「蒼い太陽の陽ざしの中」とか「青空の墓場」とか、どうみても非“冬”ですよね。サニーデイは総体的に“夏”ですから。来年の夏にサニーデイについていろいろ書くことにします。はい。
では、またしばらくして冬が深まったら真冬タグのついた音楽について思い起こして書いてみるかな。

と、今日はこんなところで。

「いちょう並木のセレナーデ」小沢健二
http://www.youtube.com/watch?v=tSNyXDSJkWw

「Let It Come Down」James Iha
http://www.amazon.co.jp/Let-Come-Down-James-Iha/dp/B000000WFL/

「冬へと走り出そう」かせきさいだぁ
http://www.youtube.com/watch?v=0W5lvEJItZY

「walk out to winter」Aztec Camera
http://www.youtube.com/watch?v=u0NvZ4SsXAw

白い恋人サニーデイ・サービス
http://www.youtube.com/watch?v=eQOEMtKkgQg