映画館で映画を観る5つの理由と12月の映画すごろく

映画は好きですが、愛好、という程度(not シネフィル)です。が、それだからこそ、自分は映画は映画館で観たいと思うのです。その理由は
1、映画館のスクリーンは大きい
2、映画館の音は大きい
3、映画館は暗い
4、上映開始時間が決まっており、始まると終わりまでノンストップである
5、映画館の椅子はふかふかだ
という理由に拠るものです。1〜2は当たり前すぎる理由ですね。映画館の一番の魅力です。自分にとって大きいのは4の理由です。怖くて目をふさぎたいような場面も、退屈ですっとばしたいような場面も、映画館ではどうすることもできません。ふかふかの椅子に座って甘受しなければならないその拘束力が自分にとっては重要です。リモコンボタンで映画の進行をコントロールできない環境に身を置かねば、ちゃんとすべてを見る忍耐力がないというところがちょっとあるのです。(だから、まったくもって映画好きとは言いがたいかもしれませんね)
あまやかな拘束が好きなのです。ちょっとした緩慢な展開や退屈、目を覆いたいほどの悲惨さなどを超えてクライマックスのカタルシスに至ると、しみじみと満足し充足した気持ちになったりする。そのプロセスを映画館ならばすべて体験できる(寝ない限りは)。3と5の理由は、結局、映画館という空間が好き、と言い換えられるのかもしれない。快適な温度もふかふか椅子も、闇に落ちて現実の時間がとりあえず一時停止して映画内時間が始まる感じも、客電がついて現実の時間が再び流れ出す感じも、同じ映画内時間を過ごした客席のみなさんが三々五々それぞれの時間にかえっていく感じも、ひっくるめて好きなのです。
ただし、ごく一般的な社会人である自分にとって映画に時間を割けるのは、ほぼ土日祝日のみです。平日の夜は帰って次の日に備えて寝るばかり・・・そこで、金券ショップや優待券、前売り、その映画館限定の月一1000円の日、映画の日、などを活用して観たい映画をなるべく映画館で観るようにしています。そんな自分にとって、2010年12月は試練の月になりそうです。12月1日〜31日の間にどれだけ“観ることができた映画/観たい映画”の率をどれだけ1に近づけられるだろうか?
神戸市在住の自分の行動範囲ですら以下のとおり見たい映画が目白押し。映画すごろくミッションはいかほど達成できるか?
『ナイト&デイ』                  @シネフェニックス 12/1〜
『オーケストラ!』『ザ・ウォーカー』二本立て @Cinema KOBE    12/4〜
『黒く濁る村』                   @シネリーブル神戸 12/4〜
ミクロの決死圏』                @TOHOシネマズ西宮 12/4〜10
十二人の怒れる男』              @TOHOシネマズ西宮 12/11〜17
ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』  @KAVC       12/11〜
シルビアのいる街で』             @KAVC       12/11〜17
グラインドハウスUSAバージョン』『エレクション』+『エレクション〜死の報復〜』(二本立て)
                          @ブルク7     12/11〜17
『激突!』                    @TOHOシネマズ西宮 12/18〜24
『クレイジーズ』                 @シネフェニックス 12/18〜
スプリング・フィーバー』           @元町映画館    12/18〜
『ルド&クルシ』                 同上
『バード☆シット』『ハロルドとモード     @KAVC       12/22〜27
トレインスポッティング』『ラン・ローラ・ラン』『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
                三本立て     @パルシネマ    12/16〜21
『インファナルアフェア』3部作  三本立て   @パルシネマ    12/22〜29
『オーケストラ!』『小さな命が呼ぶとき』   @パルシネマ    12/30〜
でも、東京ってば、こんなもんじゃないですよね。いろんな特集上映とかあるからなー。
神戸くらいがほどよい地方感で、いいのかもしれない。誰かが、神戸は“プチ”(→フランス語のpetit)なサイズ感だと言っていたんですが、こじんまりして程ほどに揃ってる感じ。たくさんあると選べない。
ほとんどの来日アーティストも東京+大阪では公演やるから観にいけるし。
あぁ、でもやっぱり、東京への集中ぶりはすごいなー、と思う。文学フリマもうらやましい(全部通販してくれたら、いいのに)。けどいろいろ考えてみて、東京だったらお金がいくらあっても足りないかもしれないから、やっぱり神戸でいいっす。
ちなみに極私的映画館ベスト3は
1位 シネリーブル神戸
2位 ミント神戸
3位 109シネマズ神戸
書いてみて思った、よく行く順です、ただ単に。でもCinema KOBEの場末感と虫の出現率の高さはあなどれんです。おじさんがお弁当開いて食べ始めるのも普通だし、おじいさんが寝てるのも、途中入退場も普通。ある意味昭和の雰囲気を正しく継続している貴重な映画館かもしれないです。うん、でもあの映画館全体にファブリーズをぶわぁーって撒きたい!って思ってしまうよ。
…最後ちょっと取り乱しましたが、
こんなところで。


サニーデイのソカベさんも映画館についてエッセイでちょっと書いてました。好きな本です。
『昨日・今日・明日』
http://www.amazon.co.jp/dp/4048835939/