雨に降り籠められる

今日はヒッチコック監督の『サイコ』を観ながらブログを書こうとしているので、文章に集中しがたいため、映画を観ながらゆっくり書き連ねてみることとします。
『サイコ』は最初に犠牲になる女性が大降りの雨のなか、ノーマン・ベイツのホテルに到着しますが、雨は不穏な前兆の舞台立てのひとつになっていますね。雨が降ると、空も暗いし、前方も見えにくくて不便です。でも外で雨がざあざあと音を立てて降っていても、暖かい家の中にいるのはちょっと幸せな感じがする。それは雨粒をよける家に居られるということに関して、ちょっとした優越感(何に対して?さっきまで外にいてちょっとうっとおしいなと思っていたときの自分に対しての優越?)を覚えているのかもしれません。
雨に降り籠められる。外に出れば泥もはねるし、左肩も濡れる。雨空を眺めて、ちょっと困ったなぁとおもいつつ、しようがないなとラジオをつけて、本でも読んでみる。そんなときに雨の曲が流れてきたらつい読書も中断してちょっと一緒に歌いだしたくなります。・・・自分にとって雨といえば、サニーデイ・サービスの曲が思い出されます。そのものずばりの『雨』という曲(“季節が恋人の部屋を荒らし、たどたどしくも駆けていった”って歌詞、かっこいい)も好きですが、雨に降り籠められるのが土曜日ならば何をおいても『雨の土曜日』が口をついて出る。もういない恋人をふと思っているさまが歌われているのに、そんなに悲しい歌ではない。どこか、雨はずっと降り続けないことをわかってる、やむ瞬間を待っている、という感じがするのがいいのですかね。そして雨がやんだら『虹の午後に』に続く。そしたら雨粒が光る『あじさい』に連なって・・・って連歌かい!
四季や日常と絶妙に自分の心にリンクしているのがどうもサニーデイ・サービスらしいです。楽しげな『雨に歌えば』(ミュージカル!)とか湿った感じの『雨の慕情』(演歌代表!)とか『優しい雨』(kyon2!)もベタに気持ちいいんですけどね。
そんな今も冷たい雨が外では降っています。TVの『サイコ』も終わったよ、しかし、この映画はほんとにクラシックだわ。雨、夜、シャワー、ナイフ、モーテルの狂った管理人の男・・・管理人の狂気といえば『シャイニング』も思い出すなー。『シャイニング』は雨じゃなくて雪でしたが。雨にしろ雪にしろ降り籠められるなら家がいいです。ホテルに閉じ込められてジャック・ニコルソンにあの顔で迫られるシチュエーションになったら、怖すぎるって。旅行社はゆるい“ミステリーツアー”より“シャイニングのオーバールック・ホテル体験ツアー”やったらウケるかもな、なんて思うけど自分は絶対イヤだ、と本当に取りとめがなくなったところで〆。

『あじさい』サニーデイ・サービス
http://www.youtube.com/watch?v=hNC7gGnt93U
『ベスト・スカイ』(ベスト盤です。いい選曲)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005J42I/
『雨に歌えば』ジーン・ケリー
http://www.youtube.com/watch?v=rmCpOKtN8ME
『雨の慕情』八代亜紀 
http://www.youtube.com/watch?v=P0I3moSIU4M
『優しい雨』小泉今日子
http://www.youtube.com/watch?v=KriYzXC8VcQ
『サイコ』アルフレッド・ヒッチコック:監督 アンソニー・パーキンス:主演
http://www.kinejun.jp/cinema/id/3518
『シャイニング』スタンリー・キューブリック:監督 ジャック・ニコルソン:主演
http://www.kinejun.jp/cinema/id/11262
※こわい、こわいよ