抗いがたい魔との戦い

今日は先週の『グラインドハウス』に引き続き、ジョニー・トー監督の『エレクション』を観にいくので、夜はたいそう遅くなります。夜更かしがすっかりできない人間になってしまっているので、家に帰るのが0時を過ぎるというのは厳しいのですが、ここで観ないと今後観る機会を得られそうにないので、頑張っていこうかなと思ったわけです。
実はこのような頑張りをみせたことが以前にもありまして、それは今年3月5日の『タマフル映画祭』でのことでした。これはTBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』(略称タマフル)のイベントでして、オールナイトの映画上映2本+トークショーというものでした。映画は『アメリカン・ティーン』と『SRサイタマノラッパー』で、きっとこの映画だけなら行かなかったと思うのですが、トークパートにアメリカから帰国中の町山智浩さんが登場ということで、すっかり行きたくなってしまったのでした。
仕事を終えて新幹線へダッシュ!東京へ向かいます。新幹線の車中、ちょっとでも寝たほうがいいよな、と思うもののなかなか眠れず、いろんなpodcastを消化しながら東京へ。品川から新宿へ出て映画館バルト9へ向かい席につきました。定刻となってパーソナリティの宇多丸さんとしまおまほさんと放送作家の古川さんが登場。『アメリカン・ティーン』の上映。続いて町山さんの登場。新宿で別のイベント(吉田豪さんとかのイベントだったような)から駆けつけた町山さんの町山節を堪能して、続いて『SR』の上映・・・と、興味はあるし非常に観たい。観たくてたまらない。けど、ものすごい睡魔が襲ってきました。えっと、みひろが戻ってきて、ときめいた男どもがみひろのビデオを見てる場面とかは覚えてます。しかし抗いがたい睡魔に負けて、「一回だけ、ちょっとだけ目を閉じてみよう」と思って、閉じた目を再び開けたとき、みひろはもう再び東京へ出て行こうとしていました。ん?結構寝ちゃったか?そうこうしてる間にラップのひとたちはバラバラになっちゃってて、そしてあのラストシーン。あれ、いきなりワープしてこの場面って・・・きっとすべての積み重ねを観てきた者でなきゃ観る資格ないよ、と思いつつあまりの熱演に見入ったのでありました。
睡魔って、まさに魔ですね。魔がさすとか、本当にそんな感じで、人間の営みの隙間、ちょっとした油断に入り込んできやがるな、あいつら。特にシネコンのふかふかの椅子は魔にとって都合がいい環境でありましょう。
でも、ふかふかの椅子でなくても、魔はいともやすやすと機に乗じて人間の意識や理性を蹴散らすのです。授業中にいかほど寝落ちしたことか。そんで変な体勢で寝るもんだからヨダレ出ちゃってプリントを波々の状態にしたり(汚くてすみません)。電車の中でつり革につかまっていた人の膝が抜け落ちた瞬間も何回も目撃したことがありますし、会議でうつらうつらも頻繁。バスで電車の終着駅で揺すられて起こされたこともあるし、仕事中に信じられないような睡魔に襲われることもしばしばあります。
引力に対抗する力がもう無くなったかのように、まぶたが落ちるのに対抗して引き上げようとする・・・下手な森進一のモノマネ状態で相当おかしな顔になってると思います。
もしくは、さもしくも、寝ているのをごまかそうとするという手に出る場合も。頬杖をついて、下を向き、ペンを握り締める。たまに体勢や重心をちょっと変えたりしてみる、など。でも、ぜんぜんダメなんですよね。客観的にみたらバレバレ。それでもなんとかごまかそうっていうのは、浅はかだけど、愛すべき人間の美徳、かもな、なんて。(何寝てるんだよ!という時もありますが)
しかし“魔”ってなんて魅力的なんだろ・・・魅入られるがごとく囚われる。“睡魔”って言いえて妙だな、と関心してる場合じゃなくて!映画で寝ちゃうのは、単なる自分の損だし、今日は寝ないでいるよ。きっと面白いはずだから、大丈夫。きっとね。

タマフル映画祭』のもよう
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/03/152201036.html
『SRサイタマノラッパー』入江悠:監督 駒木根隆介:主演 ※ちゃんと観なおしたい・・・
http://www.kinejun.jp/cinema/id/39794