2010年の映画をふりかえる

今年ブログをはじめたこともあり、はじめて『空中キャンプ』さんの「2010年の映画をふりかえる」企画http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20101219#p1に参加させていただくことにしました。よろしくお願いします。
昨年当初にpodcastという存在を認識し、町山さんや宇多丸さんのpodcastを聴きはじめると、てきめんに映画が観たくなって、かなり映画館へ足を運ぶ機会が増えました。今年になってtwitterをはじめてみたところ、タイムラインに映画の情報や感想や評判がどんどん流れてくる。そうするとまた映画を観たくなる。ということで、今年は結果として振り返ってみると自分にとっての映画開眼元年だったような気がします。これまでもいろいろ好きなものを観たり、お勉強的に観たり、頑張って観たりもしていました。小難しそうなものも“これは評価が高いんだからいいんだろう”とか“シニフィアン”がどうした、“ドゥルーズ”がなんとか、などとなんだかムリして観たようなキライがあったんですが、今は映画の観方がちょっと変わったような気がします。エンターテイメントもとことん楽しめるし、B級だろうがなんだろうが、意欲と愛があふれている作品はいいなー、と思います。映画はどんな映画でも監督、主演以外にも脇役、エキストラ、脚本、照明、撮影、ロケハン、ケータリング、プロデューサー、ヘアメイク、車両などなどなど・・・ものすごい数のスタッフが絡んでるんいて、そんな多数の人々の力の結集された成果物であるっていうのがすごい。それが更に、愛にあふれていたり、質もよかったりしたら、最高ですね!
というわけで空中キャンプさんのエントリーに書いたベスト3についてまず書いてみます。
設問2 2010年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください
1、『ローラーガールズ・ダイアリー
2、『17歳の肖像
3、『息もできない』
設問3 2で選んだ映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください
ローラーガールズ・ダイアリー』で主人公のエレン・ペイジが、付き合っていた男がしょうもないヤツだと気づいてこっぴどく振る場面。この映画では主人公はミス・アメリカ狂いのお母さんが空気を支配している家や、住んでいる土地=田舎といった諸々の状況に対して窮屈に感じている。その窮屈な殻を一枚ずつ破っていく様がある種のイニシエーションとして描かれていて、ある種、ステレオタイプなそれらの殻というか枷みたいなもの破る様を丁寧かつローラーゲームを絡めてエキサイティングに描きこんでいることで、時代や社会を超えた普遍的な物語になっていると思います。『17歳の肖像』もそうですが、女性にとっては、男性との恋愛を経験することはひとつの殻を破ることです。そしていったん盛り上がった恋人への思いも、ある種熱病のようなもので、あんなに輝いて見えた恋人がしょうもないヤツだ、とその正体に気づく。というか恋を経て(殻を破って)輝きだした自分に、あんな男は釣り合わない!しょうもない男だ!と分かった瞬間に、さわやかにきっぱりと決別する《もちろん、心に傷はつくけど、それはカサブタになってより強くなるような気がする》。浮気の証拠を押さえるきっかけに「ストライパー」のTシャツも絡めているところがいい!→ストライパーのTシャツは後に母との関係の再確認にも生かされるという最高の小道具です。
設問4 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット!!
設問5 ひとことコメント
3位は最後まで『インセプション』『(500)日のサマー』と迷ったという意味でもジョゼフ・ゴードン=レヴィットは印象的でした。また、『息もできない』は個人的に心に突き刺さる作品でした。父への愛憎の思いや不器用な振る舞い、暴力。すべてが必然。脚本も役者もセリフもこれしかない!という結晶でした。今年はたくさんいい映画を観られてよかったです。来年も今年くらい観られたらいいな、と願っています。

ここまでエントリー内容でした。
ローラーガールズ・ダイアリー』は夜中のプールでいちゃいちゃする場面や、ローラーゲームの場面など全て最高です!ある種ステレオタイプなエピソードや場面が多いんですけどいちいち、キラッキラしていました。『17歳の肖像』はストーリーの要約では魅力が伝えられない種類の映画。つまりディテールが素晴らしいのです。ダメ男の描きっぷりも秀逸極まりなかったです。これも女性がキラッキラしていました。
以下は補足で。『キックアス』も『トロン』も22日までに観にいくことができないので、もうこれでフィックスさせることにしました。神戸では『キックアス』は1月だから、来年にエントリーさせてもいいかなー(ダメか)。2010年の個人的ベスト10本選ぶとしたら
4、『インセプション
5、『(500)日のサマー』※感想はこちら→http://d.hatena.ne.jp/yosinote/20101201/1291210133
6、『ぼくのエリ、200歳の少女』
7、『瞳の奥の秘密
8、『ハート・ロッカー
9、『第9地区
10、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
番外:『月に囚われた男』『十三人の刺客』『バッド・ルーテナント
といったところかな。新旧問わず今年観たものでは『アウトレイジ』『グラインドハウス USAver.』『リトル・ランボーズ』『2001年宇宙の旅』『エレクション』『クロッシング』などもよかったな。地雷といわれるものは観ておりません。どの映画もよかったです。それぞれの映画の感想は、また沈殿させてからちょこちょこ書いてみることにします。ちなみに残り少ない今年は、あと旧作の『ハロルドとモード』『インファナル・アフェア』3部作の一挙上映『人生万歳』などに行くつもりです。
それにしても、本当に順位なんてつけられないな。どれも同率1位っていうか自分の中の「とてもよかった」というサークルの中に入ってます。来年もキラッキラした映画観たいなー。『冷たい熱帯魚』『ブラックスワン』がとりあえず期待、だけどこれらは黒い感じでキラッキラしてそうだな、指の隙間鑑賞((c)ぷーちさん id:pooti ⇒怖くて薄目でしか観られない映画鑑賞)になりそうだけど。ともあれ、来年もたくさん映画がみられる幸せな日常でありますように!