『SPEC』最終回の飛び道具

3ヶ月ほど前、番組宣伝のためのTBSの大クイズ大会に一瞬チャンネルを合わせたときに、ドラマの宣伝のため出ていた神木くんが何かを当てて超ハイテンションで喜んでる様をみて、彼の諸々がちょっと心配になると同時に『SPEC』ってドラマはどうなんだろうなぁと思ったのでした。ドラマ初回はウラでやっていた『カリオストロの城』を観たりもしたのですが、ちょこちょこ見るうちに面白いな、と思って金曜22時にちゃんと見るようになりました。何回か抜けたものの、特殊能力をもつ人をSPEC持ちといって超能力者VSこの世界の秩序守り隊という構図らしい、で、SPEC持ちよりも秩序保ち隊のほうが主人公だと理解。堤幸彦氏の演出で小ネタも仕込みや、あぁ、堤氏っぽいな、というギャグ?みたいな演出など、まごうことなき堤印のドラマという感じでした。
堤氏の演出ドラマはそんなに見ていないのです。『トリック』のギャグはちょっとあざとく感じてしまいニガテでして(仲間さんの生真面目ぽく“コミカル”を演じるのがオモシロでしょう?、っていうオーバーアクト気味の演技がどうにもニガテというのも大きいかも)、『ケイゾク』もおもしろそうオーラというか伏線バシバシ貼って、なんかありそう気な雰囲気押しで、それだけ・・・のような感じもちょっと持ちこたえられなくて、見通すことはできませんでした。『SPEC』も『ケイゾク』などとの共通点を感じました。大体以下のような共通点。
・主人公たちの内1人は、視聴者には知りえない“何らかの秘密”を既に知っている感がバシバシ漂ってて、物語を引っ張る
・照明が蛍光灯で暗い上に、ちょっとチカチカしてるやつもあったりする
・コンクリートうちっぱなし
・男女二人組が主人公
うん、相当のうろおぼえながら、こんな感じだったと思う。『ケイゾク』も。
でも、最後まで見通せなかった『ケイゾク』と違って今回は最終回に辿りつきました。戸田さんと加瀬くんのコンビもよかった(当初は加瀬くん目当てというのも大きかった)。戸田さんの演技も紙一重で仲間さんタイプになりかねなかったけど、演技力と彼女の持つ雰囲気で大丈夫だった。かみっきーも番宣番組のときのヤバいテンションとは違って、いいキャラ演じてました、“ミステリアスなキャラは黒タートルネックの法則”(※今思いつきで命名した法則)もバッチリ踏襲していたしね。SPECはジョジョの“スタンド”のネタをパクってるだの、そんなのは置いといて、最終回ですよ。
明らかに違和感を放ってた城田優が更なるラスボスで出てくるのは予想の範囲内。彼は米倉さんの『交渉人』でもレクターのポジションやってましたしね、キャスティングの段階でもう決まってたような感じですね。最後に戸田さんがSPECに目覚めるのも、なるほど。もひとつ最後に椎名さん出てくるのもOK。映画化はしないよ、っていうメタ視点もまぁ、OK。加瀬くんの演技は最高すぎる!熱演!…ただね、歯を口から飛ばして額に刺さらせるのは、あかん。これはあかん。この瞬間、ガッカリ感がすごかった。ギャグ?おふざけ?別に、ありえない世界を描いてるから何でもありでもいんだけど、加瀬くんは“この世界の秩序守り隊”の中でも普通の人間役だから、そんな歯飛ばしってSPEC?は与えないで欲しかったなー。
エンディングの曲や映像も毎回凝ってたし、よかったよ。堤氏は映画はけちょけちょにけなされがちだし、TVで彼の映画をやってるときにちょっと観ても、これは・・・と思うけど、『SPEC』は結構おもしろく観ましたよ。てんどんのギャグも、このドラマについてはOK。でもラストの教会でのぐだぐだと、やっぱ、歯はダメだ、ダメだわー。

『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』
http://www.tbs.co.jp/spec2010/