1月3日放送『アマルフィ 女神の報酬』(フジテレビ系列)

お正月に見たTVをお題にゆるくブログを書いてみます。今日は昨日見た『アマルフィ 女神の報酬』についてです。
この映画は公開時にかなり話題に(いい意味でも、ネタにされ的な意味でも)なっていましたので、話題だなぁと思いつつも、お金出して+時間割いてまでは観ないことを迷わず選択して、心の中の『TVで見やすい時間に放映するなら見るかもBOX』に入れといたのでした。
サラ・ブライトマンが「どや?サラの歌声が冒頭から流れるで」みたいにけれんみたっぷりにかかる。なるほど。イタリア→ヨーロッパ→白亜の大理石の建物とか教会とか→クラシック→サラ・ブライトマン?という連想でしょうか(この連想の正否問わないで)。サラさんは日本でもポピュラーだから耳なじみもいいし、きれいな声だし、ということで選ばれたのかな。
そう、サラ・ブライトマンとかスポンサーであるドコモのケータイとか、オールイタリアロケとか、イタリア人刑事の第一声「ボールハトモダチ」(→キャプ翼の権利を取れたのね)とかアマルフィとか『ローマの休日』にも出てくる階段とかパーツとパーツの組み合わせ感がすごい映画でした。落語なんかで三題噺っていう形式がありますね。お客さんからお題目とか単語をいくつか出してもらって、それらが全部でてくるように即興でお噺をつくるっていう。『アマルフィ』も、織り込まなきゃいけないアイテムとかパーツをいかに組み合わせてお題をクリアしていくか、っていう。それゆえ、無理くりな感じが全体に満ちていて苦しかったです。無理やりオリエンテーリングの第一ポイント通過!次第2チェックポイントへGO!みたく、消化すべきポイントを通過していくから、どの要素も中途半端で必然性が感じられない。なぜアマルフィに行くのかも、なぜあの少女を誘拐したのかも。
コメディぽく、外交官黒田氏をルパン的キャラにしてやったらいいかもしれないなあ。あまりに非現実的!とか笑止千万!などといった批判もなくなるでしょう。もしくはゴルゴ的な異次元に突入するか。どっちかに針を振り切ればいいのでは?だって、今年の夏の『アマルフィ』続編の公開、そのタイトル『アンダルシア』って、もはやギャグか自家パロディとしてやってるとしか思えんですよ・・・。そうですか、世界一ついてない外交官黒田康作、なんですか。そういや『アマルフィ』と同じく『ダイ・ハード』もクリスマス設定だったよね。行く先々で事件に巻き込まれる・・・うん、そのうち軍用ヘリに追いかけられ巧みにかわしたりとかしてください(『ダイ・ハード4.0』参照のこと)。しかし、TVの字幕で、次の舞台は“情熱の国、スペイン”て。スペインの枕詞に“情熱”つけるのを禁止してほしい。クリシェ!!(そういえば、『アマルフィ』のイタリア表現もかなり“クリシェ”的でしたね)
宇多丸氏の評でも聞いたような気がするけど、いきなりあらゆる流れをぶったぎって暗転する箇所には心底びっくりした。ホラーでもないのに声が出た。たくさんの大人やたくさんのプロや映画を愛している人も関わっているはずなんだから、パーツ+パーツの違和感が感じられないように、ひとつのお話として面白くなるように脚本とか編集とかがんばってほしいなぁ、と思いました。せっかく地上波放映で、頭のクレジットから(短縮版だろうけど)エンドロールまで流れるようなまるで“『タイタニック』地上波初放映”みたいなノリの気合の入った放映がされるんだからさ(自社映画でTVドラマの宣伝も兼ねてるからだろうけど)。

アマルフィ西谷弘:監督(→どうもフジのTVドラマ畑の監督さん?)織田裕二:主演
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=332676

有名映画サイト『破壊屋』さんの評が詳しいです。必読!
http://hakaiya.com/html/2009/20090801_1.html

その他追記
※大臣役の平田満の薄幸顔がなんともいえん。たしかTVドラマ版『SP』の薄幸なラスボスも平田満だったような・・・8chに好かれてる?
佐野史郎がでてくるだけで、ウラでなんかある設定キャラだよね、と思っていたのに裏切られた。ほんとはちょっと黒いキャラ設定だったのに、脚本改変で普通の役になっちゃったのでしょうか?
※主役の織田さんのシャツにジローラモ的ボタン開けテクニックが使われていた。冬の寒いときは首あっためなきゃだめじゃん、とずっと気になってました。
※同じ時間帯の裏にTBS系で『新参者』やってたのがイタかった。連ドラの時みていたのです。阿部寛の“濃ゆい”感じのけれんみたっぷりの演技があのドラマでは結構好きだったのです。途中で気づいて録画したけど・・・