公開初日に『デュー・デート』を観たのですよ

期せずして公開初日に観ました『デュー・デート』について書いてみますよ。シネリーブル神戸にて観たのですが、多分4〜50人くらいの入り、かなぁ。かなり余裕はあるものの、ガラ空きではないのでちょっとほっとした。公開運動まで起こった『ハングオーバー』と同じ監督で、あの映画で一番のおいしい役をすごいインパクトで演じたザック・ガリフィアナキス(名前は覚えられないのでコピペ)の出演とあらばちょっと期待する。ロバート・ダウニー・Jrが主演だし。
ザックはトラブルメーカーで、一般常識やら、“空気を読む”とかカンケーない。自分のペースで行動して迷惑かけまくる不潔で粗野で困った野郎・・・て、『ハングオーバー』とほぼ一緒じゃん。これは、なんていうか、キムタクさんが何の映画やドラマに出ても、キムタクさん以外の何者にも見えないっていう、アレと同じですね!※あくまで私見です。
あの絶妙に太った腹&腹毛とかヒゲとか全体に丸いフォルムの憎めなさ感とか、いるだけで匂い立つコメディ感は『ハングオーバー』と同じく映画のポイントです。彼は、ちゃんと自分につきあってくれそうな他人を(意図してかどうかは分からないけど、ちゃんと選択して)巻き込む。で、自分を認めて欲しい、っていう思いを太った体の奥深くに持っていて、さみしがり。で、ときどきドラッグをキメたりなんかする。・・・って、これも『ハングオーバー』と一緒だよ。ロバート・ダウニー・Jr演じるピーターはとばっちりを受けて、ザックをののしり、邪険にし、バカにし、彼から逃れようとするが、段々ちょっと心を通わせていく・・・って、これも『ハングオーバー』と(以下略)。いやいや、いいんだ、それで。ちゃんと『デュー・デート』ならではの良さもあるから。
ハングオーバー』は謎の提示とその謎解き、伏線の回収の見事さが気持ちいいポイントだったけど、『デュー・デート』はロード・ムービーの気持ちよさ満載な点がよいです。妻の出産予定日までに帰る、というテーマのクリアのため、アメリカのずどーんと開けた道をどんどん走る走る!しかも諸事情で車がどんどん変わっていくし。途中アメリカの絶景ポイントも通過する。その合間に立ち寄った先で思わぬ災難が巻き起こる。お約束ギャグっちゃ、そうなんだけど、声出して笑っちゃったです。○○で淹れたコーヒー飲んじゃうとことか、あの警察からの脱出劇とか。ロバート・ダウニー・Jrは微妙にキレやすい性格で、ドラッグをキメたことない(!)役。観客としては彼に感情移入して観るカタチになるんだけど、同じようにちょっとキレて、でもちゃんとザックを見捨てない彼にいいヤツ!ってほっとして。『ハングオーバー』より観る前の期待値ハードルが低かったからかもしれないけれど、かなり楽しめました。
あと、下半身不随の車椅子の障害者(元イラク戦争従軍者だったか)が登場して、主人公を、めっためたに(明らかに戦闘用)棒で殴りまわしたり、黒人と白人の子が生まれたらシマウマみたいかも的ギャグとか、これ大丈夫?って思うシークエンスもございました。でも、タブーなんてないよ、っていうか積極的に世界の一部であるそういう部分も映画で描くぜ、っていう文化がアメリカにあるのな。『メリーに首ったけ』もそんなのでしたね(メリーの弟はたしか知的障害、うろおぼえ)。日本的には感動映画/感動ドラマでしか障害者に触れてはいけないみたい、だけど。
しかしロバート・ダウニー・Jrも生き生きしてたな。牽引されたハコのなかでごろごろ転がりまわるとことか、変な顔するとことか、全力だったものな!ザックも憎いやつだけどどっか憎みきれない茶目っ気をにじませててよかったですよ。二人でドライブがてらハッパをキメて、一瞬高速道路の風景がスターゲイトみたくなるとこも相当よかった。でも、男どうし(ある意味)イチャイチャしてる映画だからデート向きではないかもなー、男二人で観にいくのがオススメかと!
※あと、客席が埋まった状態で観られたら、なおいいと思う。みんなでゲラゲラ笑いながら観たらよりドライブ感増しそう。
ジュリエット・ルイスもやさぐれ姉さんで登場。『ローラーガールズ・ダイアリー』といい、こんな役はまってますね。

『デュー・デート』(2010/アメリカ) トッド・フィリップス:監督  ロバート・ダウニー・Jr.、ザック・ガリフィアナキス:出演
http://eiga.com/movie/55399/
http://wwws.warnerbros.co.jp/duedate/index.html
 ほらラブラブ
R+15です。うん、そうだろうな。