『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』

大阪でもやっと上映が開始されましたので、観に行ってきました。昨年に町山さんが紹介されていたけど、まぁよくあるパターンで、日本公開の予定は無いそうです!っていうので、一部映画ファンの間で盛り上がりを見せて公開運動的な…という流れ。こういうのは、たまにある流れだけど、いざ日本での配給が決まって上映開始されても、盛り上がりは思いのほか内輪だけだった・・・とかいうこともある。例えて言うなら、アニメ界隈で超もりあがってるアニメがあって、おぅ地上波のTVにあのアニメの声優さん出るぜ!つって楽しみに見たら、取り扱われ方の「誰これ」感とか司会者のもてあまし感ハンパなく、スタジオに客として入ってる一部熱狂的ファンとネットのアニメ板だけ盛り上がるような感じかしらん(すみません自分はアニメには詳しくないけど想像で書いてます)。
もちろん『ハングオーバー!』みたいに一般的なヒットにつながることもあるけど、『スコピル』は題材的にふらりと、ま、映画でも行くかと立ち寄った人が観る感じの映画ではないかな(『SP』が満席だから代わりに観ようか、とはならんでしょう)。ということでテアトル梅田に行きましたが、来てる人たちは映画ファン!的な感じの人が多そうでしたけど、客席はかなり余裕ありました。事前の期待値と現実の差をちょっと感じましたね。東京では列なして満席とかっていう情報を見てたんで、あぁ、コレが地方…、というのも。普段もお客の少ない映画はよく行くけど、ちょっと『スコピル』の場合は期待値あがっちゃってたということで、想像より少ないな、という風に思ってしまいました。
内容的にも期待値が高すぎたようで、思っていたよりそこまで前のめりになってハマることはなかったです。2時間内にキャラの設定やら描きこみ、伏線を入れようとすると、はしょった感じになるのはやむを得ないし、そのさくさく感はマンガぽくて気持ちよいポイントでもあったけど、バトルもあっさりさくさく終わっちゃうのは、ちょっと残念。また、原作未読のせいもあるかもしれませんが、そこまで登場人物にいれこめないというのもあったかな。ラモーナへの恋がそこまで強烈なのは、なぜなんだろう。ナイブスのほうがかわいくて一生懸命で見ててたまらなくなるじゃん。ラモーナへの恋の強さを“一目ぼれ”だけで正当化するのがピンと来なかったわけで…一目ぼれの威力ってすごいもんなんかな?それにラモーナはほとんど喋らないから掴みがたくてよくわからん、というのもあったです。自分はずっとナイブスは可愛いんだからスコットみたいなしょうもないヤツやめとき、と思ってました。ナイブスって女の子は、自分の気持ちに正直で、ストレートに泣いたり笑ったりしてる、そういうのって自分はなかなか出来ない性質だから、素直にそういうことが出来る*1ナイブスが余計にかわいく見えるのかな。自分に無いもの憧れ系。
対する邪悪な元カレ軍団は、一番最初に出てくるインド系のあいつが一番おもろかったです。偏ったインド感といい、あいつのルックス→インド感+ジャック・スパロウ感て、最高だな、おまえ!2番目の元カレのポイントは「まゆげ」。3番目の元カレは目が白く光る+いい体。4番目はちっちゃいおばさん。5〜6のカタヤナギツインズは喋らなかったのがgood!ここの音楽バトルが一番アガりました。Beck vs. 小山田!バンドの音楽バトルシーンは、全体にいい音楽仕事をそろえてるからおもしろかったし楽しかったな。最後の7番目の元カレとのバトルシーンは、ナイブス萌えに尽きる(個人の感想です)。
最後まで観てもスコットは優柔不断だし、ふらっふらしてるのに、なぜかかわいい子と付き合えるっていうちょっとヤなヤツなんだけど、この映画のキャストの中で一番かわいいマイケル・セラがやってるから、しようがないなー、憎めないな、という感じ。マイケル・セラ無双だな・・・でも脇を固めるキーラン・カルキンの魅力も忘れがたい。これから先なんの映画で見かけてもゲイキャラの先入観を持ってしまいそうなほど、すばらしいよ。あとドラムの女の子かわいい。ともあれ、日本公開されてよかったです。日本語タイトルは内容を具体的に言い表してていいんじゃない、と思いました。そのまんまやんけ、かもしれんけど。

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』(2010/アメリカ)監督:エドガー・ライト 出演:マイケル・セラメアリー・エリザベス・ウィンステッドキーラン・カルキン
http://www.scottpilgrimthemovie.jp/index.html
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD18024/

*1:しかも計算してる感じもない