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『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』

今年はドニーさんイヤーとのことで(別に公式に制定されたわけじゃありませんが)、劇場公開されるやつは行ってスクリーンで確認してやろうかな、ということにいつの間にか自分の中で決まってました。というわけで、今作についても上映開始早々に足を運びましたよ。
ブルース・リーが「ドラゴン怒りの鉄拳」(1971)で演じたヒーロー、チェン・ジェンを演じるドニーさんの敵は日本軍。例によって日本軍は徹底して鬼畜で“悪”な存在なのですがそんな組織の中にも、その悪に染まり切っていない、人間的な部分を残している者もいる。その人物を演じるのが、スー・チー。本当は日本人、という設定なのですが、日本語のセリフは相当苦しかった…*1。ただ、満州事変前の青島の華やかなナイトクラブのホステスにははまっていたと思う。彼女とドニーさん、互いにほんわりと相思相愛なの…か?という要素も織り込みつつ、仮面の戦士の自警活動、諜報活動、裏切り、日本軍による残虐行為が描かれつつお話は進行していきます。
やはり期待するのはドニー・イェンのアクションです。冒頭の第一次大戦での驚くべきアクションシーン。『プライベート・ライアン』的に“お、助かった”と思った瞬間頭を撃ち抜かれる仲間を見て、怒り爆発のあまり、暴走するドニーさん。彼ひとりいれば、世界大戦であってもなんとか勝ててしまうんじゃ、と思うほどの攻撃を、スムーズなうつくしい動きで見せるのです。
日本軍の横暴や欧米列強の虎視眈々と中国大陸を狙う様子などで、出口の見えない、希望の光が見えないような時代設定です。樹をずっと撓ませて、折れそうな限界までたわませた挙句、ぱっと手を離してその反動で樹が跳ね上がるみたいに、横暴や迫害で搾取、理不尽な暴力などでふつふつと怒りをためて、ためて、どうしようもないところまで至って、最後に怒りとともにアクションが爆発するからこそカタルシスを感じることができる。今作中も冒頭のシーンを含め、いくつかのアクションの見せ場があり、そのたびに相変わらずの高い身体能力におぉ、とわくわくするのですが、やはり冒頭と最後のアクションシーンが印象的なのは、押さえていた怒りメーターが一瞬にして振り切れて、爆発するアクションがそこにあるから、かな。観ている側も「この瞬間待ってた!」となるわけで。ヌンチャクの登場もうれしいところでしたね。肝心のラストの格闘シーンについては、敵役の人(木幡竜)も頑張ってたけど、どう見てもドニーさんの体格や筋肉が圧倒的だし、動きもドニーさんのが明らかに上回ってる感が…。うむむ。あ、ちなみに後半〜ラストにかけてドニーさんのサービスショットもいくつかありますのでファンの方々は堪能してくださいね。
映画のラスト、カタルシスに酔いきれないのは、歴史的事実として、その後日中戦争が起こり、日本による大陸への侵略が続くことを知っているからというのもあるかな。そういう意味ではすこし苦い終わり方かもしれない。
残念なのは、間をちょっと端折っていて説明不足なとこ*2。回想シーンのようにつまんだ編集でざくっと物語を進める箇所もあって、これ、ほんとは倍の尺いるんじゃ…。あと全国何千万かのEXILEファンのいくぶんかの人がもしもAKIRAさん目当てでこの映画を観にきたら、鬼畜っぷりに“えー”とショックをうけた挙句、あっさり退場するその描き方に愕然としそうだな。

『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』(2010/中国)監督:アンドリュー・ラウ 出演:ドニー・イェンスー・チーアンソニー・ウォン、ホアン・ボー、ショーン・ユー、木幡竜、倉田保昭AKIRA
http://www.ikarinotekken.com/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD19131/

アンソニー・ウォンの存在を途中でわすれるほどアンソニーのキャラ薄かったよ…。倉田保昭も薄い登場の仕方、ショーン・ユーも…

*1:ちょっと聴き取りがたいとこも…

*2:単に自分の知識不足の面もあるかもしれないけど