『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』

来夏に来るべき『アベンジャーズ』への壮大なる前ふりともいわれている『キャプテン・アメリカ』を観ましたよ。
兵役検査に落ち続けていたものの兵士になる意志を強く持つ虚弱体質のスティーブは科学の力によって筋肉や身体能力を人間の限界を超えて増強することができた。しかしそのパワーは実戦に生かされることなく、彼は戦時国債の広告塔に駆り出され、舞台上“キャプテンアメリカ”を演じて人気を博す。そんなスティーブが慰問に行った先で、友人が敵の捕虜として捕らえられたことを知り救出に向かう。敵は世界大戦下でアメリカと敵対するナチスドイツにおいてもとりわけカルト的急進派であるヒドラ党のレッド・スカル。驚異的な能力を発揮してレッド・スカルのもとから無事捕虜を救出したスティーブはその能力を認められ、ヒドラを叩くミッションのリーダーとなり悪を倒していくのであります…そのヒーローの成り立ちと活躍を描く映画。
日曜朝にやってるヒーローもの番組の1つのエピソード(30分×2回分とか)を2時間、たっぷりの予算をかけてやったよ!という感じでした。お話は定型ですし、主演のクリス・エヴァンスの肉体の変化(虚弱時代⇒一挙にマッチョ)のCGのすごさを堪能しつつも、結局はアベンジャーズの登場人物紹介で、コレで全員そろったよ!というお披露目的意味合いが強いように感じました。
キャプテン・アメリカは自身のルーツ(超虚弱体質)においてコンプレックスの塊だったりするわりに葛藤の少ないキャラで、マッチョ化した後にゴキゲンな感じで国債買ってね!と舞台上でパフォーマンスをしている様を観て「この人一体なんなの…」と思ってましたが*1、友人の窮地に命も顧みず、ノープランで*2敵地へ赴く様子をみて、「あぁこのヒーローはキャプテン“アメリカ”と名乗ってはいるけど、自分の既知のもの、自分にとって大切なもののためになら命もなげうつ、というまっすぐピュアなヒーローなのだな」と思った。ある意味「世界の平和はオレが守る」みたいなどこか概念的っていうか、ぼんやりした理想じゃなく、自分の周囲何メートルのために戦う!とか、自分の価値観や信念にそぐわない悪に遭遇したら、立ち向かう!という感じの地に足着いたヒーローなんですよね。だから敵に挑むのにチーム(仲間)を組んで大切にしたりするわけだ、なるほど。そういう意味ではアベンジャーズでもチームの一員として活躍が期待されるかもな。同じピュアでもどこまでもピュアすぎて単純すぎてバカにすら見えてくる*3ような“俺様キャラ”のソーのほうが個人的には好きだな。うん、でも、なんだかソーとキャップはキャラ的に相反する感じがするな。
あとアメコミやアベンジャーズについてよくわかっていない自分にとって、キャップが、不死身なのかなんかのかよくわからなかった。何十年も眠り続けて肉体は若いままとか*4?彼は人間じゃなくなってしまったのでしょうか?そしたらいかに好きな人ができても、相手がどんどん歳をとってしまって先に亡くなってしまうわけで、それってすごく悲しいことやん、と思ったのです。一緒に歳をとることが人生の大事な部分だろうに。…って今作のようなヒーロー映画においてどうでもいいことかもしれないけど、スティーブが氷漬けになる前に心寄せていた女性のことを思いつつ言う最後のセリフを聞いて、そんなことを思った。
ちなみに2Dで観ましたけどそれでも問題なかったような。楯を飛ばす場面とか、最後の戦闘機がふわぁっと飛ぶところとかは3D効果狙ってるような気がするけど。とにかくエンドロール後のお楽しみも観られましたし、来年夏、また会えるのをたのしみにしていましょうか(それまでにハルクとかもちゃんと観て予習しなければ)

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011/アメリカ)監督:ジョー・ジョンストン 出演:クリス・エヴァンス、ヘイレイ・アトウェル、トミー・リー・ジョーンズヒューゴ・ウィーヴィング
http://www.captain-america.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD17968/

エージェント・スミスことヒューゴ・ウィーヴィングよかったです。いい顔面。
※ただ、どうみてもあの楯はちょっとコミカル、ていうか目立つわなー・・・と思いました。特に最初にヒドラのところへ乗り込む場面でのアレはね。

*1:まぁ人間こんなふうに有頂天になることはあるとは思うけど

*2:このあたり単に自信過剰な人に見えなくもないよな、オレ、舞台で無敵のキャプテンアメリカだぜ!っていう

*3:すみません…でも貶してません!

*4:それとも単に氷漬けで仮死状態だったという設定?