不死身のトム+ほつれのレナー&ペッグ=最強チーム『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

これまでのシリーズをちゃんと観てから行こうかな、と思っていたのですが、世評がたいそう高くてあれこれ目や耳に情報が入ってくるので、早いとこ観てしまおうと劇場へまいりました。大きなスクリーンの客席は満席で活気があってポップコーンの匂いやデート的カップルなどで埋まっており久々にシネコン気分を味わいましたよ。この“レジャー体験としての映画館気分”を味わえたのは、今作を観に行ってよかったポイントのひとつです。さて、冒頭のイーサン・ハント脱獄ミッション〜オープニングタイトルにワクワクして期待が高まるっていうのは、シリーズの醍醐味。このテーマソング流れるとアガるわー、という感覚が観客にも共有されてますからね。そこにいかにかっこよい映像をノセるか、というポイントも難なくクリア。そしてロシア、ドバイ等を舞台にしたミッションが展開されることになるのですが、「イーサン・ハント、お前はもう死んでるはずじゃ…」という瞬間が何度も訪れます。しかしトムさんは涼しい顔して乗り越えていく。この“なにがあろうが主人公は不死身”という安心感のうえにハラハラドキドキをいかにストーリーとして構成するかがポイントですな。
・お前はもう死んでいるはずだ その1  クレムリン爆破  クレムリンに潜入したもののミッション中止。ブルース・スプリングスティーンのTシャツ*1着用の観光客を装い脱出したものの、ド派手な爆発!画面も揺れまくりますが、ハント氏は軽い脳震盪程度だよ。病院からの脱出でトラックの上に飛び降り車と衝突。が、当然、無問題。
・お前はもう死んでいるはずだ その2  ドバイ  電気的ななにかで壁に吸着するグローブでイーサン・ハントがドバイの超高層ビルブルジュ・ハリファ)をよじのぼりますよ。このシーンのために今作のシナリオ書いたでしょ、といわんばかりの見せ場です(ノースタントってマジか…トムさん、さすが)。しかしお約束のごとく片手のグローブがエラー発生、落下の危機!でも、当然大丈夫。続いて元いた部屋に戻るのにロープの長さが足りず、振り子の原理で勢いつけてのジャンプ!や、いま壁に顔面強打したよね…でも当然チームの仲間が片手をキャッチして生還。続く砂嵐のなかのカーチェイスも見ものでしたね。本当にドバイのロケーション生かしまくってます。ここでも相手の車に轢かれようが、カークラッシュしようが、涼しい顔!ダッシュも、キメ顔も堪能できます。トムさんの“オレをかっこよく撮れ!”というミッションが完遂されたシークエンスでした。
・お前はもう死んでいるはずだ その3  立体駐車場アクション  このシーンもおもしろかったですね。でもイーサン・ハント、お前も絶対死んでるはずだって!!
ちょっとハント氏が不死身すぎるために、スリルとかタメが足りない感じを覚えるのだけど、それはシリーズものの宿命ですな。盤石すぎるヒーローを使っていかにアクションを見せるか、という点は、ドバイや立体駐車場とかのロケーションやさまざまなガジェットで工夫して斬新な絵も観られて楽しめました。けど、安定したヒーロー*2であるハント氏を補うべく、サイモン・ペッグ、ジェレミー・レナーが今作でのかわいい要素*3を担ってます。ペグはキャスティングの段階で可愛い要素を担ってるのは予想できていたけど、レナーがここまでかわいいとは。ドバイのホテルでレナーがコンタクトレンズ型カメラで書類を撮影するため一生懸命パチパチ瞬きする場面はかわいかった…。あとペッグとレナーが2人で協力してミッション遂行するところ!「この機械ほんとに大丈夫?」と一抹の不安をにじませるレナー、「大丈夫ちゃんと守るから」と請け負うペッグ。いざ実行!という前に準備体操するレナー…かわいい。ご飯何杯もいけそうですよ。
スパイアクションものって、演技や演出だけでは絶対説明しきれないところが大きいからセリフに頼る部分がある。今作でもたまに英語のヒアリングに集中してみたら、字幕の情報量の2,3倍のことは喋ってたりするのですよね。字幕に限界あるなーというのを改めて感じました。情報量不足のせいもあるのか、物語を全部把握しきれてないな、という感じがありまして。物語は冷戦時代か!というほどちょっと古い感じがするベーシックな枠組みなのだけど、武器商人とか冒頭に脱獄させたロシア人を使うくだり、最後のミサイル云々のところの理解が雰囲気でしかできてないような気がする。自分の理解力不足が大半の理由だと思うけど、字幕のせいだか、セリフに詰め込みすぎだか…ちょっとわかりにくい?と思ってしまったです。
でも、とにかくドバイでのシーンが撮影を含めすばらしいし、たいへんアガりました!今冬一番の娯楽作だと思います。そして結論は、レナー、かわいい…
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル (2011/アメリカ)監督:ブラッド・バード 出演:トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、ポーラ・パットンサイモン・ペッグジョシュ・ホロウェイ
http://www.mi-gp.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD19307/index.html

※トムがレナーに「お前の正体なんやの」と詰め寄る場面での「打ち明けっこしようか」は今作でも一番の忘れ難い翻訳でした。もちっとかっこよく、ていうか普通に訳してほしかった。
※予告とは大分印象がちがいましたね。予告はミスリードしてるんだろうけど

*1:ベタすぎる記号的表現

*2:M:I1ではハントも若くてちょっと彼自身のほつれに萌え要素がありましたが

*3:ほつれ≒萌え要素