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最近観た旧作など3本『幸せの行方…』『天国の日々』『ナッシュビル』

映画

十把一絡げ、じゃなく三本一絡げで。
一本目『幸せの行方…』(2010/アメリカ)
日本未公開だった映画が特別に公開される特集上映で、ライアン・ゴズリングキルスティン・ダンストの共演作がかかるとのことで観に行ってきましたよ。せっかくのスターな二人の共演。しかもふたりの演技は役に入り込んで熱演…なのに、これはDVDスルーもやむなし、という感じでしたね。中途半端な犯罪実録ものミステリ、ストーカー、サイコっぽい感じ(ゴズリングの女装とか)、思わせぶりな要素などのちりばめて回収なしの半端感…でもこういう微妙な出来のサスペンスみたいのは80年代後半〜90年代くらいによくあったような気がする、とちょっと懐かしい気分になりました。ライアン・ゴズリングは全力投球で演じてましたよ、うん…

幸せの行方... [DVD]

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二本目『天国の日々』(1978/アメリカ)
テレンス・マリックの伝説的な作品。地元で上映があったので行ってきましたよ。マリック作品はこれまで『ツリー・オブ・ライフ』『シン・レッド・ライン』を観て、画はひっかかりもあるし、美しいし、ユニークだし…なんですが、眠気を誘われた面もありまして。しかし、今作を観て、これはなるほど伝説的作家といわれるわけだ、と納得しました。美しい撮影で見せられる麦畑の様々な表情。孤独な農場主を演じるサム・シェパードの存在感もよかったし、リチャード・ギアの持ち味と、軽くて優男で喧嘩っ早い男ながら女性のために尽くす気概もあるキャラがとてもはまっていました。イナゴの襲来。炎に包まれる麦畑、そして血が流れる…その原因:孤独な農場主の人生が狂うきっかけは、一人の女。彼女を巡り感情が交錯するとき起こる古典的で端正な悲劇。美しい夕焼け・朝焼けの麦畑を観るだけでも、幸せな映像体験でした。
天国の日々 [DVD]

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三本目『ナッシュビル』(1975/アメリカ)
アルトマンの群像劇です。ナッシュビルですれ違い、交差し、また離れ行く人の縁。誰しもが自分が主人公の人生を生きていて脇役なんていない。スターであろうが一市民であろうが、それらの人生に軽重はありません。そんな24通りの人生がナッシュビルという場で交差する瞬間をきりとった映画。まさに映画だからこそ可能な手法。生、病、死、障害者、健常者、老人、若者、こども、音楽、仕事、歌、恋、一歩通行の思い、嫉妬、憧れ、さまざまなものが生起して、それらは複雑に絡み、因果関係を生んだり、全く無関係なままだったりする。群像劇であるからには、複雑に入り組み時には並行する人生/縁の糸が同じあるひとつの場に手繰り寄せられる瞬間があります。そのクライマックスはある者には悲劇、ある者には混乱、ある者にはチャンス。そんなふうにひとつのクライマックスを迎えた後、登場人物の人生はまた散らばっていく、さらに新たなる縁に絡め取られるのか、出会いがあり思いもよらぬ人生になるか、淡々として日常を送るか、失敗するか、成功するかはわからない、それでも人生は続く。
ナッシュビル [DVD]

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