『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』

花嫁付添い人になった女性のコメディと聞いていました。たしかにギャグや下ネタも多くて声出して笑うところもある、ケド、笑いを上回る痛々しさに、あいたたた…と思うところも多くて、この感じ覚えがあるぞ(しかも結構最近)、と思い…そう、この目も当てられない感じ、観ちゃいられない感じはまさに『ヤング≒アダルト』のシャーリーズ・セロン演じるメイビスでして。
主人公アニー(クリステン・ウィグ)は、幼馴染の親友リリアンの付添人のまとめ役を依頼される。付添人仲間と親友度競争をやって張り合って結局ずるずる後退したり、ロクでもない男と付き合っていたり、仕事もうまくいかない自分を、幸せいっぱいのリリアンと対比していってしまい、それやっちゃだめだよ、そこのリミッター超えたらダメだよ、というフラグを全部回収していっちゃうのですな。悪い方わるいほうにいくよ。まさに劇中、付添人仲間のメーガンが言うとおり「不幸を周囲のせいにしている」わけで。自分は悪くない、自分が不幸になっているのはまわりが悪いんだ、自分を理解してくれないんだ、味方になってくれない…etc。序盤で、リリアンのニュー親友ヘレン(ローズ・バーン)と張り合うのですが、そこでニュー親友に張り合うために幼馴染度合を強調し、自分の知らないヘレンの友人であるリリアン像を否定しようとする。人は変わらない、だから古くから知っている自分のリリアンこそがリリアンの真の姿だし、あんたの知ってるリリアンは違うリリアンだよ、と。
変化を認めようとせず、自分と違って伴侶を得て幸せになろうとしている友人をどこかで認めたくない、のよな。どこかでねたんでいるいるわけだ。それは人間だからしようながいような気もするけれど、それをここまで目の当たりにみせられると、結構イタイよ。まさに『ヤング≒アダルト』のメイビスみたいにね。でも立ち上がる契機はメイビスとアニーでは全然違うのです。メイビスは変わらない自分の中にあるものを再確認して歩き出そうとする。アニーが立ち上がる契機は…やはり友人なのですな。そして意外でしたね…まさかの女タイラー・ダーデン登場!
人の本質はやっぱりそんなに変わらない、そして、人を救うのは人であり、思いやる気持ちである、というラストはある種古典的な枠で安心の設計でしたよ。それだけに親友を金で買おうとしていたかのようなヘレンは哀れだった、やっぱりそれは金では買えないのよな。
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン監督:ポール・フェイグ 出演:クリステン・ウィグ、マーヤ・ルドルフ、ローズ・バーンメリッサ・マッカーシー、クリス・オダウド、ジョン・ハム
http://bridesmaidsmovie.jp/
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