『王朝の陰謀 -判事ディーと人体発火怪奇事件-』

ツイ・ハーク監督作、アンディ・ラウ主演の『王朝の陰謀 -判事ディーと人体発火怪奇事件-』を観ましたよ。
則天武后(カリーナ・ラウ)が中国初の女帝として即位するにあたり、その威光を示さんと巨大大仏の仏塔が建築されている現場で、人体から発火し死に至るという怪事件が発生する。女帝誕生を阻もうとする者らの仕業と思われたこの事件の犯人を捜し出すべく、かつて則天武后を批判して獄にくだった判事ディー・レンチェ(アンディ・ラウ)が呼び戻される。彼は則天武后のつかわしたチンアル(リー・ビンビン)を監視役、司法官ペイ・ドンライ(ダン・チャオ)をその補佐役として事件の解明に乗り出すのだが…
とにかくケレン味たっぷりの映画です。しゃべる鹿(『もののけ姫』か!)、地下世界(『タイタンの戦い』とか『インディ・ジョーンズ』っぽい)の怪しげな魔女でも出てきそうな感じ、人体発火、ワイヤーアクション、女帝にかしづく美しい側近女性…というレズビアン的な妖しい感じと美しいチンアルの“くの一”っぽさ*1、人体発火というX-ファイルぽさ、虫虫した感じ(『ハムナプトラ』とか『インディ・ジョーンズ』的な)などなど。ナゾの解明っていうよりもその中国の伝奇的な世界に酔うのが正しい楽しみ方だなーと感じました。というわけで自分は結構そういうあやしげなファンタジック世界を楽しめましたね、もともとわりとそういうのが好きでもあるので。
レオン・カーフェイも裏のありそうないい役で存在感を示しておりました。それだけに判事ディーが彼についてはカンが働かなかったのは、ちょっと鋭さに欠けるんじゃない?…というようなアレ?なポイントは散見されました。ま、でも今作はディテクティブ感は置いといて、違う要素を重視しているということだな、と。チンアルの造形もですが、特に司法官ペイの金髪白塗りの異様な感じ(まゆげ・睫毛まで脱色!)とか、やりすぎ感もあったけど観ていくうちに慣れてきた。
アンディのスターらしい堂々たる主役っぷりもよかったですし、とにかく派手で豪華で伝奇世界に浸れますよ。サモ・ハンがアクション監督をつとめているのも気にして観るとよいかも。大仏のCG感はもうあとちょっと頑張ってほしかったけどね。
『王朝の陰謀 -判事ディーと人体発火怪奇事件-』(2010/香港)監督:ツイ・ハーク 出演:アンディ・ラウ、リー・ビンビン、カリーナ・ラウ、レオン・カーフェイ、ダン・チャオ
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http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD21219/index.html

*1:忠義のためには命など惜しげもなく投げ出す感じなど