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バートン×デップ印『ダーク・シャドウ』

ダーク・シャドウ』を観ましたよ。バートン×デップの安定のコンビです。オリジナルはTVシリーズとのことですが未見。のっけからの寓話っぽさをプンプンとたたえた運び、画作りで、バートンの世界だな!とわくわくするような感じ。デップの髪型やエヴァのルックスもバートンの寓話的世界の住人としては十全の仕上がり具合だし、ベラ・ヒースコートがすくっと立ってる姿も童話のなかのお姫様的な美しさでしたね。
コリンズポートの名家の党首バーナバス・コリンズ(ジョニー・デップ)に愛されたジョゼットは嫉妬に狂った魔女アンジェリークエヴァ・グリーン)の呪いにより崖から身投げして命を絶たされてしまう。愛しい彼女を失ったバーナバスはアンジェリークの呪いでヴァンパイアに変えられてしまっていたため、彼女の後を追うにも追えない。失意の彼をさらに苦しめるべくアンジェリークは彼に永遠に続く苦しみを与えようと生き埋めにするのだが、バーナバスは200年の時を経て現代(72年)のアメリカによみがえる。その頃ジョゼットの生き写しのような女性ヴィクトリアがコリンズポートに向かっていた…
バーナバスが200年のタイムトリップ状態でそのギャップを楽しむ、というポイントや、70年代のアメリカの“風俗”(音楽とかファッションとか)のレトロでノスタルジーを感じさせる空気感の再現、バーナバスが工夫を凝らした家のからくりを見せるくだりのピタゴラスイッチぽさもあるワクワクさせる感じ(なんだろ、忍者屋敷探検的な)、ヴァンパイア姿のキュートだったりゴシックホラーぽかったりするアイテムやファッションの数々など、ガジェット的にたのしい要素がたくさんでしたね。これだけでも結構満足でした。
当時流行ってただろう精神分析を要素として取り入れていて、精神分析医が登場するんだけども、ちょっとこれがとってつけた感があって、これはバートンがヨメを出演させるために作ったのか(いやひょっとしたらオリジナルにもあるのかな)と思わせるほどだったかな。まぁ、ヘレナ・ボナム=カーターは安定の存在感で作品内にいても違和感はないんだけれども。
エヴァ・グリーンはすばらしい演技で、もう彼女がなにを演じようとそのうち唇が真っ赤になり、にやりと笑んであやかしのわざを使いそうにしか見えなくなるんじゃないか、というほどにはまっておりました。とても哀しい役で、ただひたすらバーナバスに執着し、彼の愛を求めている。それは愛といえるとも思うよ。バーナバスには所有欲だと断言され、断固拒否されていたけれど…。ラストの彼女の体の“ガワ”がぱらぱらと剥がれ落ち、ヒビがはいり、へこみ、それでもなおバーナバスに心臓を差し出すところの哀切さったらなかった。
それにくらべて、正直バーナバスがそこまで魅力的には見えなかったかな。あまりにアンジェリークがキャラとして立っていてね。特にラスト間際の盛り上がりパートでのバーナバスが無力すぎた。や、わざとなのかな、という気もしないでもないけれど…でもストーリーとしてはもうちょっとバーナバスに活躍させてほしかったな。かわりにクロエ・グレース・モレッツちゃんが頑張っておりましたが。変に節制しコントロールしすぎていないだろう健康的ボディに目を見張った観客は多かったことでしょう、そうでしょう。とくに最初に姿を見せるときに、いすにすわってくるりと振り向いた彼女のポーズのフォトジェニックな感じ。音楽に身をゆだねて踊るところ。うぅむ、バートンはクロエちゃんの魅力をよくわかってるな、と。
要素がてんこもりすぎてちょっと生かしきれてないかな、と思うところもあったけど、バートンの世界を楽しめる作品でしたよ。本当これTVシリーズとかにしたらいいと思う。いろんなネタで楽しめそうだ。
ダーク・シャドウ』(2012/アメリカ)監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップミシェル・ファイファーエヴァ・グリーンクロエ・グレース・モレッツベラ・ヒースコート、ヘレナ・ボナム=カーター、ジョニー・リー・ミラージャッキー・アール・ヘイリーアリス・クーパー
http://wwws.warnerbros.co.jp/darkshadows/index.html
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD21009/index.html

そして、シークレットで出てきた“アノ人”。うんうん、出るよね、うん、と、ふかくうなずきました。