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『盗聴犯〜死のインサイダー取引〜』『盗聴犯〜狙われたブローカー〜』

二本連続で観てきました。香港映画のスター、ラウ・チンワン*1、ルイス・クー、ダニエル・ウーの共演作で、続編は原題で2とうたっているのに、まったく別物の設定や別人キャラで物語が始まるというすごい斬新なシリーズものでしたよ。
『死のインサイダー取引』のほうは、主演の3人とも警察の側で、盗聴などの情報収集部門の専門、という設定。冒頭、ビルに侵入して盗聴器を仕掛けていくあたりではスリリングな本格的サスペンスものになるのか、と思っていたのですが、段々と趣が変わっていくあたりが香港映画ぽい。主演の3人は三者三様の事情を抱えていて、ラウチンは親友で同僚の警官の妻と不倫なう。ルイス・クーは子だくさんなうえ、病弱な子どもを抱えている…と思いきや自分が余命1年と知ったなう。ダニエル・ウーは逆玉の輿、なんだけど裕福な義父からバカにされてるなう。これらのプライベートな事情が、公的な仕事で知りえたインサイダー情報を悪用して一攫千金してしまおうという企てつながるのです。それが破滅への一歩になるとは思いもよらずに…しかしその破滅への転がり方ってば強引な展開!力技!それが香港映画らしさ。腕利きの刑事としてはあまりに不用意/不用心すぎやん、というところ(株の売買で周囲も気にせずおおはしゃぎとか)や、一度インサイダー取引をやってからの、隠ぺいするならとことんまでやったろう、という振り切れっぷりとか。ラウチンがなぜか美女にモテてるところや、ガラス越しのプロポーズなどつっこみどころというかやりすぎというか、でもそれがおもしろい!ルイス・クーのダメ夫っぷりや最後の泣ける(というか観てるときは口がポカンとなったけど)展開もいい。お前はターミネーターかよっ、っていう。ルイス・クーは、ちょっと人間的に弱いところがあって、その弱さゆえに窮地に追い込まれる、という情けないような、でもそれゆえ人間臭し同情を覚えるというような役が似合いますね。なんだかんだいって、悪いことしてしまった人間は窮地に陥るし、その報いは受ける。それであの最後なのですよな…ふむ。因果応報。ダニエルが若干前二者に比べるとキャラが弱かったかな。しかしシリーズ第2作では彼が大活躍しますよ。
その2作目『狙われたブローカー』は物語としては1の続編ではないです。全くの別物。小物としての盗聴ツールは出てくるけど…程度。ただし前作よりもアクションというかとりわけカーチェイスに力がはいっていて見せ場がたっぷりでした。ダニエル・ウーは1よりも断然輝いていてかっこよかった。ルイス・クーは敏腕なんだけれども、愛する妻を自ら刑務所に送ったことによる心の傷を抱く者。それに比べるとラウチンが結構ぼんやりしたよくわからないキャラなんですよね。なにを考えてるかわからん、というか。まぁ、それがラストのオチに効いてくるのですけどね。まぁつっこみどころはありますよ。でもルイス・クーとダニエルのストリート追いかけっこやら、ダニエルの(強引な)計画がぴたぴたと嵌っていってからの最後のミッションコンプリートっぷりやら、なかなかに楽しい。そしてかっこいい。ラウチンの何考えてるかわらない、飄々としたたたずまいにおもわず客席からも笑いがもれる…さすがのラウチンの人間力。ラストもありがちだけどいい余韻。
香港映画観た!って満足感を味わえる二本立てでした。あぁ満足。
『盗聴犯〜死のインサイダー取引〜』(2009/香港)監督:アラン・マック/フェリックス・チョン 出演:ラウ・チンワン、ルイス・クー、ダニエル・ウー、アレックス・フォン、マイケル・ウォン
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD22122/index.html

※ラウチンが土に埋められるくだりは『MAD探偵』もぼんやり思い浮かんだな。
『盗聴犯〜狙われたブローカー〜』(2011/香港)監督:アラン・マック/フェリックス・チョン 出演:ラウ・チンワン、ルイス・クー、ダニエル・ウー、アレックス・フォン、 ケネス・ツァン、 ミシェル・イエ
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD22084/index.html

*1:以下ラウチンと略