日帰りバス旅行:高野山の旅の記録

あまり行くことの無いバス日帰り旅行に行くことになったので、その記録を残しておきます。
STEP1:まちあわせ
いろんなバス旅行のコースがあり、それらの参加者が一同に会しています。係の人が複数いるので、そこへいき「○○のコース参加のものです」と報告。バス到着後ぞろぞろと移動しバスに乗り込みます。
STEP2:トイレ休憩
とにかく、トイレタイミングがあちこちで設定されてる。自分が排泄するいきものであることを再認識させられるのがバス旅行(とか団体旅行)である。別段トイレにいきたくなくても行かねばならない、という気もちにさせられる。往々にして「おみやげ屋さん*1」がその舞台となることもある。排泄し、食べ、みやげを買ういきもの…それが人間。そんな真理に到達したような気すらしてきます。
STEP3:高野山到着。奥の院へ http://www.tb-wakayama.jp/detail/?pn_sn2=1&cl_id=17&sn_no=103
さてつきました。高野山といえば奥の院。これは超有名スター級の戦国武将の墓や数多の歴史的有名人の墓からシロアリ供養の墓まである高野山の目玉です。樹齢が数百年クラスの杉や高野槇などが鬱蒼と茂る森のなかに延々と続く墓そして墓。何回か高野山に行きましたが散策するのに気持ちいい。全長2キロくらい。…が、今回はバス旅行。効率よく最短距離で行きますよ。バス旅行ゆえガイドがついて解説があるのですが、よくいえば立て板に水。裏返せば何百回も言ってることの反復作業ゆえ、ものすごい早口で段取りを踏むように消化されていくので意味を咀嚼して飲み込むことができず、ついていけない感じでありまする。ただ、墓の5段くらいある大きな石は、石の中を空洞にして運び、土を盛って石を積んだという石積みメソッドや、明治期に禁止されるまで神仏習合だったゆえ、墓と鳥居が同居してあるのだ、とか、鳥居のカタチは下が突き出てるのと突き出てないので、前者が男性の鳥居、後者が女性の鳥居、とか、参詣は必ず左回り*2で行と帰りは違う道、とか、そういうトリビアはなるほどなぁ、と。あと、それなりの高い値段のお札やお線香などが売られてて、それを勧めるガイドさんの売り込み方が上手い!催眠商法なみのうまさです。いや、でもそれが悪いってんじゃなくてね。拝観料もお札お守りもバカ高いお寺なんていくらもある。弘法大師の本山では拝観については無料で誰しも入れる。あの森閑とし、苔むした墓の立ち並ぶ荘厳な空間を来るもの拒まぬ空間と維持してあるのは、本当に意義深いことと思います。アイドルのCD買うのといっしょですよ、お布施お布施*3。しかし前にきたときにはあのお札売ってる売店に気付かなかったのに、今回はガイドさんに連れられてナチュラルに売店に導かれまして…さすが!と思いましたです。
STEP4:昼食と法話
これがですね、法話がものすごくびっくりするほど「ありがたいおはなし」ではなかった。これが今回のバス旅行でもっとも驚いたことです。住職が話すのは、昨日雨に降られてびしょびしょになった。みんなこんな話より昼食食べたいんでしょうね。人はみな死ぬ生き物なのです。そうやって死ぬってことを思っておいてください。まぁ、そういう諸行無常の世界ですな。まぁもうちょっと話きいてください、昼食たべたいでしょうけど。たのしく死ねたらいいですな。あぁ諸行無常諸行無常。みたいな感じ。ぼそぼそと続くお話は、どう頑張って聞いてもなんらのありがたさもないし脈絡も見いだせない。で、秘仏御開帳っていって、300円でなにかをしてあげるから(興味ないから聞いてなかった、念誦をしてくれるみたいな?)、で、やっつけ感満載の題目唱え。あぁ、そういえば、入るときも「ご朱印*4のひとはどうぞ、あ、300円ください300円」とかやってたな。でも、案外こんなもんだよな、そんなもっともらしい話できるほど人間たいしたことないし、こんな「平坦な日常という戦場」をルーティーンに生きるんだよな、そこに意味はあるのか?いやはや、その意味の無さを生きるんだよ、みたいな悟りに境地ゆえのこういう平坦な法話なのかもしれぬ*5。で、ご飯は精進料理でして、高野豆腐やゴマ豆腐をいただきました。食べる間も「ごま豆腐は生タイプのはここで○個○○円で売ってます。真空パックで4週間ほどもつものはこの寺をでて、まがって道沿いにあるお店で売ってますんで」と繰り返す。寺のなかで商売できないので外でお店やってるらしい。病院と薬局みたいな感じかね医薬分業、宗教商売分業。これもまた諸行無常の世界なり。
ぼそぼそとスマホを手にずーっともってさすりながら話をしていただいて、秘仏開帳して、さぁ食事です。ってどう考えても食事の準備ができるまでの間を持たせるためのはなし…なのか?と思ったけど、帰りのバスの中で、後ろの席からも自分とまったく同じ感想を述べてるのが聞こえてきて、あぁ、みんなおんなじように感じてたんだなと思った次第。うん、諸行無常諸行無常。嫌味ではなく、これもまた人の営み、となんだか深く納得した気持ちになったのです。
STEP5:みやげもの
ここでもキティの出稼ぎ営業が…!さすがキティ!

STEP6:天空 http://www.nankaikoya.jp/tenku/
南海電鉄の展望車両をそなえて天空に乗りましたよ。これは急こう配を下る(キィキィとすごい音)電車からの展望を楽しむため、座席の並びも通常列車と異なるし、内装も木でできていて雰囲気たっぷりですな。山岳電車ゆえ、トンネルがおおいので展望を延々と楽しむ、ということはできないけれどそれも一興ではないかな。女性車掌が車内アナウンスで説明してくれて、天空グッズの車内販売もあります。完全予約制ですのでご注意を。
「天空」と普通の特急「こうや」。こうやもいいよね、こうや。

STEP7:まことちゃん立像
天空のついた橋本駅になぜかまことちゃんが!どうやら楳図先生がこの橋本市の近隣で育ったらしい…塗装がはげてこわさアップです。

STEP8:一路帰路。
うつらうつらしつつ帰路。やはりトイレ休憩もありつつ帰り着く。あっというまに効率よく運ばれ、トイレにいき、食べ、観光し、戻り再び街へ。本当に現実だったのかね、と思うほどの手際よさ。これもまた極められたプロのお仕事ですね。おつかれさまでした。

*1:旅行社と提携

*2:逆に巡るとなにか起こるというのが『死国』でしたよね

*3:ただ、自分は買わなかったのですがね…すまぬ

*4:寺だから本当は納経っていうみたいだけど

*5:いやきっとちがう