読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カナザワ映画祭2013に参加した旅日記(その3)あるいは帰宅困難者の記録

さて、カナザワ映画祭も最終日。その記録。
9/16(月曜:祝日)
この日はゆっくり目に朝食をバイキングでたらふく(昼食の分まで)食べまして、朝から金沢カレーもちょっといただいたくらいで、大満足。や、でも気にはなっていたんですよ、台風18号が来てるなー・・・なんて。
●チェックアウト→都ホテル地下へ  都ホテル地下に映画祭の会場がありまして、この日は昨日のトークでも紹介されていた『アルタード・ステーツ』を観てから帰る予定でした。前日の『ティングラー』で前売り購入済みのチケットをすべて消費していた自分は当日券を買おうと思ったのですが、窓口にいた人に聞いたら「チケットはあと30分くらいしたら販売開始しますので」とのこと。あ、じゃあ観る直前に買えばいいか、ととりあえずおみやげ購入に行ったのですが、これが運命の分かれ道チョイスのはじまりだったのです。
●おみやげ購入→ちょっと気になって改札の運行情報の液晶画面をみにいく  みやげを買ったりしまして、ホテルを出る前に乗る予定のサンダーバードは全然運休になってないのを確認していたので、さぁ、会場へ戻るかと駅を横切って歩いてたのですが、駅のみどりの窓口は運休にともなう払い戻しや指定券の取り直しで長蛇の列が…。ちょっと気になって改札のところにある液晶を見に行くと運休情報がずらり…「あれ?さっき確認した運休より増えてるよ。しかも指定を取ってる電車の一本前まで運休になってる!」と俄然不安が増す増す。アナウンスも「15時台はまだ運休となっておりませんが、線路の水没があり運休になる可能性は高いです」と声高に。不安はさらに増大。これは…映画は観たいがこんな心理状態ではムリじゃ、と運休情報の映し出される液晶画面をひたすら見守ることにしたのです。そう、映画のチケットも買ってなかったしね。運休情報を念のため確認しにいったこと、そして映画をあきらめたこと、これが運命の分かれ道チョイスその2となりました。
●運休情報見守り→とうとう乗る予定のサンダーバードが運休に!  ひたすら列車運行情報や、みどりの窓口の長蛇の列や問い合わせするお客さん、対応をつづける駅員さんらを見ているうちに、とうとう出てしまいました、乗る予定の特急の運休決定!その瞬間、運航再開予定の16時台以降のサンダーバードの指定を取り直すべくみどりの窓口の列に並びます。しかしその間にも次々に指定席は売り切れる、さぁさぁどうなる。チョイスは3つ。
 1、最終が20時台のサンダーバード。この指定を取れるかどうかにかけてみどりの窓口の列に並び続ける。
 2、改札を入り駅ホームの自由席車両の列にならび、運行再開された列車の自由席車両に乗りこむことにかける(きっと通勤満員電車並みの混雑)
 3、この時点では敦賀以西は不通で運行していないけれど、とりあえず14時5分発の敦賀まで鈍行の普通列車に乗る。サンダーバードは16時台以降走らせる予定のようだから、きっと鈍行で行く間に敦賀から先も運行再開するだろう、ということに賭ける。
iPhoneであれこれ検索します。JR西日本の運行情報でたしかに敦賀〜不通区間があること。京都〜堅田も不通ってこと。イチかバチかの鈍行の場合の路線検索もする…、鈍行で最速5時間41分、19時台に帰れるかも?これに賭けるか!ということで3、をチョイス。これが運命の分かれ道チョイスその3です。みどりの窓口の列を離脱するときの決断した感はすごかったです、はい。
●鈍行の旅はつづくよ敦賀まで→そしてそれから先は…  敦賀までは検索したとおりのダイヤで進みます。ただ増水し濁流がながれる川をみては先行き不安になる。さて、敦賀まで行くと湖西線。こいつが問題でして、荒天のたび不通になったり運休になる区間。果たして走るのか?それともここで足止めか?…ここで自分の乗っていた電車が「運行再開初の電車として走ります」とのアナウンス!ただし超徐行運転のため、ものっすごい時間かかりましたがね…これで近江今津まで行きます。ここの区間が一番長く感じたな。*1さて、近江今津から京都まで、これも運行再開初の電車として走ります、とのアナウンスが!つまり自分の乗ってる鈍行列車の後ろを、運行再開したサンダーバードが追いかけて走ってきている状態なのです。自分の乗ってる電車は道なき道を切り開くパイオニアなのです、いや、うそです。自分は単にその電車にのって運ばれてるだけの人間。でも、なんか薄氷を踏むようなこの行程が、トロトロながらも途切れずに進んでいるという偉業を成し遂げつつあるというオカシナ充足感を覚えているのです。
●京都から大阪へ  京都まで来ると人心地。だって京阪も阪急も走ってるから、という安心感。複数の選択肢があるってすばらしい。あ、でも新快速ならあっという間の京都〜大阪間も新快速運休につき各停だったんですけどね。
そうやって大阪に辿りついたら21時半ごろ。7時間超えの鈍行の旅。しかしずっと座ることはできたし、ゆっくり車窓の風景見えたし、そうまで辛くなかったよ。これで感じたのはまるで人生のようにチョイスの連続。危ういし先は見えない。でも、選択によって遠回りしたり時間がかかったりしてしまったとしても後悔したくないな、と。失敗は今後の教訓には生かすべきと思うけど、行ったチョイスを取り消すことはできない。時は不可逆。今回はたまさか最善のチョイスができたと思う。だってサンダーバードより早く帰ってこられたものな。帰宅したら日付がかわることも覚悟してたのに全然早く帰れたし。ま、「そもそもそんな旅行しなきゃよかったじゃん、台風くるの分かってるんだから前日に帰ればいいじゃん、たかが映画のために」って突っ込みができちゃうんですけどね。でもなんにも後悔はないし、すごい思い出になったわな。失敗や予測できないアクシデントや運や…もろもろ込みで、やっぱり人生に似てるな、こういう旅は。ただひとつの残念なのは『アルタード・ステーツ』観られなかったことくらいかな。

追記:こういう駅では駅員にキレるお客さんとかいるのかな、と思ったら全然そんなことないのですな。お天気のことならしようがない、とみな諦めの気持ちになるのですな。うんそうだよな、と納得。

*1:実は、近江今津に行くまでにある近江塩津駅で米原にいく線に乗り換える、というチョイスもあり得たのですが、このチョイスをしなかったこともよかった。もしそうしてたら運行再開が更に遅れていた琵琶湖線の不通区間が行く手を阻むことになっただろうから