空中キャンプさんの「2014年の映画をふりかえる」に参加します

もうそんな時期か、と感じる企画の告知。今年も参加します。
ということで、企画参加のために自分の頭をひねって出した3本をここに記します。ただ、自分なりの2014映画ベスト10などを選んだ際のベスト3とは違うことになりそう。3本だけを選出、というのがポイントで、自分のベストならベスト10以内には入れるけどそんなに上位では、というものを選出したくなる。3本の中に、自分の好き!という要素を表したいからだろうか。というわけで3本選んでまいります。
1、『アデル、ブルーは熱い色
これは文句なく選出。結構長尺なんだけれども、これほど心の奥をつかまれるような痛く切なくそして熱い物語はなかった。心を揺さぶられ感情を乱され、自分の中身をさらけ出し、でも、嫉妬や諸々の感情がうずまき、自分で自分の気持ちが分からなくなり、想いと行動が相反していき、複雑で自分でコントロールできないことになるのが恋か、と。その一端を少しだけでも齧ったことある人ならば、この激しい物語に揺さぶられるのでは。二人の演技も素晴らしい!昨年の『わたしはロランス』級に好きです。そして食べ物が美味そうに描かれているのは名画の証だと思うのだけど、今作も観たらボロネーゼが食べたくなる、そんな意味でもやっぱり傑作ではないかと。

2、『6才のボクが、大人になるまで。』
前評判から期待値最大で観に行って、その期待値を裏切らず、観ていくにつれ、すごい映画を観ている!という気持ちでいっぱいに満たされた映画。日常の時間の連なりの結果、今の自分がある、という至極あたりまえのことを納得させられた。時間の厚みこそが人生の有限性を認識させ、また、それゆえに人との出会いや別れ、繋がりの尊さ、儚さ、縁の不思議さを感じさせる。時間こそが人生を豊かにする要素なのだと気付かされる。タイトルは原題『Boyhood』のままのほうがよかったな…これは。

3、『ソニはご機嫌ななめ』『ヘウォンの恋愛日記』
2本書いてしました。すみません。というのもどうしてもホン・サンス作品を入れたかったから。この2作は連続して観たのですが、どっちもひたすら酒のんで、飯食って、愚痴や恋愛トークや散歩、酒飲んでからの涙や、そんなのばっか。教授や映画製作してる大学院生や不倫カップルばっか出てきては、彼ら彼女らを変なショットや据え置きカメラの延々と続く長回しやナゾのズームでひたすら撮ってる。これがたまらない!オチとかそんなの全く不要。今週末から公開される『自由が丘で』も観てたら、きっと3本のタイトルをここに書いたことでしょう。ホン・サンス好き好き。万人には勧められませんがね。


期せずして、今年選んだ3本*1は時間の厚みを感じる作品だと思います。長回しや時間の流れの描き方が自然であることが重要なポイントになってる。自分も年齢を重ねてきて、時間の経過、日々の積み重ね、それらが今に至る欠かせない要素であり、不思議な縁の積み重ねの結果今に至っていることを感じつつある。あぁ、歳をとるのも悪くないかな、と。きっと今年選んだ3本は若い頃には良さがそこまでは分からなかったような気がしますね。

*1:実際は4本ですが…