I am a witness of『Mad Max 怒りのデスロード』 Screaming “Mad”上映@塚口サンサン劇場

今年で62年目になる老舗の映画館、塚口サンサン劇場。4スクリーンあって話題の大型新作&ちょっと前の話題映画をかける二番館的役割のある昔ながらの映画館。塚口といわば微妙な場所で、10分ちょっと電車にのって東にいけば梅田、西に行けば神戸に出られるゆえ、地元映画館としては集客が難しいところだと思われるのだけど、数年前から、ユニークな企画上映をするようになった。「この映画なら電車にのって足をのばしてでも塚口まで観にいこか」というようなラインナップで、映画館スタッフがいかにも映画好きなんだろうなと思う。自分もたまに足をのばして出かけてました。ここ2年くらいは、『パシフィック・リム』激闘上映やインド映画のマサラ上映なんかも話題になってました。(詳しくはこちらを→東京がシネマシティなら関西にはサンサン劇場がある! イベント上映を「アイディアと手作り」で乗り切る“期待の映画館”の舞台裏
そうして今年、サンサンが“あの”話題作を何らかの形で企画上映してくれるにちがいない、と(ごく一部で)期待高まるなか公式ツイッターがつぶやく


このツイートが投下され、キネプレの記事にもなるとかなり反響があったようで、当初は劇場売りも予定していた前売りはぴあでの販売のみに切り替えられました。で、いざ販売されるとわずか4分で完売との報が。そんなチケット争奪戦を経て、行ってきましたサンサン劇場。はたして塚口のヴァルハラの門が開かれたのか…?

告知から上映までにプロの特殊メイクスタジオKID'S COMPANYさんによる特殊メイクブースの設置や南堀江のライブハウスからの音響機材提供によるV-RAMA方式上映、マッドマックスコンベンションにも参加したV-ZONEの方々の参加決定など続々決まる(詳しくはこちらの記事)。この上映を盛り上げたい、と思ったプロの人たちが名乗りを上げたんだろうな、と思った。
せっかくの機会だし、と特殊メイクブースで焼印してほしかったけど、1時間ほどまえに「締め切りました!」とのツイートが。晩御飯を食べて劇場に着くと全身コスプレの人から、一部コスプレの人たちがたくさん。20時に開場し、席につくとみなさん紙ふぶきやクラッカーの準備にいそしむ。事前のツイートで知ってたけどウーファーが増設されてるのを実際に見るとアガります。
館長が注意事項を言うため登場するとわきおこる館長コールとV8のポーズ。つづいてV-ZONEの方々が登場、みんなイモーターン!と叫びつつV8ポーズ、クラッカーが鳴り響きます。

映画泥棒の音楽にすら拍手でノッていく観客。MAD MAX仕様のワーナーのロゴが現れると大拍手で歓声。こんな調子で2時間持つのか…?
イモータンが現れると「イモーターン!」とウォーボーイズと一緒に声を上げV8ポーズっていうのは想像できたけど、これ以外は一体どんな感じになるのかな、と思ってましたが、静かなシーンはやっぱり見入るのだけど、銃撃やらカーアクションのところは大盛り上がり。何度も観てる人がほとんどだろうから、銃声のタイミングがわかってるので、みんなそれにあわせてクラッカーを鳴らす鳴らす。各キャラが登場したときに飛ぶ声援は歌舞伎の掛け声的な、待ってました!という感じ。武器将軍も大人気だし、人食い男爵a.k.a.乳首男爵が出てきたときも乳首いじりにツッコミが入る。予想以上にスリット兄さんやリクタスへの声援も多かったな。途中フュリオサとマックスの格闘シーンは「フュリオサ!」「危ない、うしろ!」「がんばれー」と、や、もう皆どうなるか知ってるのにすごい声援でクラッカーも銃撃にあわせて鳴り、タイコの音にあわせて思わず足を踏み鳴らす。
砂嵐に突っ込んだ瞬間紙ふぶきが舞う。そしてみんなが叫ぶ「what a lovely day!」。沼地を抜けたら大拍手に紙ふぶきと歓声が沸き起こる。クライマックス、フュリオサの「Remember me?」からのイモータンが絶命する瞬間の盛り上がりもすごい。気胸で意識を失いかけるフュリオサを呼び覚ますため輸血し、「呼びかけろ」とワイブズたちにいうと客席からも「フュリオサー」との声がとぶ。ラスト、シタデルに帰ってきて、群衆の中でフュリオサに視線を送るマックスの男前さに5回目の鑑賞にして改めて気づき、感動して自然と拍手をする。この映画の主役はたしかにマックスなんだと実感した。暗転し、“ Directed by George Miller ”のクレジットが出たとき「ジョージ・ミラー監督、こんなおもしろい映画をありがとうございます」という気持ちに改めてなったな。ほかの観客の方も同じような思いなのか、大きな拍手がわきおこる。
一部でさんざんに言われてたMAN WITH A MISSIONさんの日本版エンド曲もすごい盛り上がってておもしろかった*1
ロッキーホラーショー』の踊ったり歌ったりいろいろする方式の上映も観たことあるんだけど、そのときが初見だったし、上映前のレクチャーを受けて「この場面ではこうやって、ここではこうやるんですよ」というのが“お約束”として覚える感じで、なかなかハードル高かった。今回は自分が何回も観てて、とくにお約束化してない映画だから自然といろいろの楽しみ方ができてよかったな*2
それにしても、たのしくていい上映でした。スタッフの皆様と劇場にも感謝感謝。下に引用したサンサン劇場さんのツイート、本当これにつきる、みんないい顔してんな。
「ぴあ」のfacebookにあがってる当日画像https://www.facebook.com/piakansai/posts/945631898808836
Screaming "MAD"上映についてのtogetterまとめhttp://togetter.com/li/863892
※イベント名の元ネタ、スクリーミング・マッド・ジョージさん、今はどうしておられるのかな、とふと思ったりもした。
メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド

メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド

*1:もともと自分はIMAXで本国版のエンドロールも観てたし、MAN WITH A MISSIONさんのも他の映画でのもっと変なエンド曲に比べると、そうまで気になってなかったけど

*2:そういう意味で『ロッキーホラー〜』も何回も観て臨めば、すごい楽しめるんだろうと思う