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最近行ったライブ(YO LA TENGOとサニーデイサービス)にて思ったこと

音楽は、歳をとるごとに新しいものを聴く機会は減り減りに減り、一番よく聴いていた十代から二十代半ばくらいまでに夢中になったもの、のうち更に一部のものだけを細々と聴き続けている感じです。彼らが新譜を出したら買ってみたりみなかったり。彼らに関連するようなミュージシャンで興味がもてたら買ってみたり。最近観に行ったライブ二本は、むかしからずっと聴き続けていたアーティストです。
梅田クアトロでYO LA TENGOのライブがある、ということで迷ったけどチケットを取りました。これまでも何度も来日してくれているのに、タイミングがあわず観られないままだった。このバンドのファンになったきっかけは、きっと彼らのアルバムで一番メジャーだろう『I can hear the heart beating as one』。自分の心のベストテン上位に入り続けるこの作品は何度も何度も繰り返し聴き続けてます。wikiによると1997年の発売、ということは約18年くらい聴いてるみたいだ。

I Can Hear the Heart Beating As One

I Can Hear the Heart Beating As One

今回は新譜『Stuff Like That There』がアコースティックなテイストのカバーアルバムだったので、アコースティックセットでのライブとなりました。
Stuff Like That There

Stuff Like That There

オリジナルの初期メンバーだったデイビッド・シュラムも参加とのことで、超豪華かつ音のひとつひとつが際立った粒のような演奏にすっかり気持ちよくなってしまいました。前半45分パートで前半ではThe Cureのカバーの『Friday I'm in love』が生で聴けて本当にうれしかった、オリジナルもいいけどカバーがまたいいんだ。約15分のインターバルで後半へ。新しいアルバムからの楽曲を中心に演奏は続きます。デイビッドだけがエレクトリックギターなのだけど、この奏でる音がすばらしくて。まさに夢見心地にしてくれる。アイラとジョージアのボーカルも本当に大好き。アンコールはお約束の1回はもちろんだけど、バックステージに引っ込んだあとも拍手と足踏みは止まらず、また出てきて演奏を。さ、客電もついたし…でも余韻にひたっているオーディエンスはまだ拍手をやめない。そして笑いながら3回目のアンコール。歌も演奏も素晴らしくて、客席もいい雰囲気で、ひたすら心地よいライブだった。
ただ、梅田クアトロは旧梅田ピカデリー、つまり映画館を改装しているハコで、ステージが下にあって、それを見下ろすような形のつくりのためかなり見にくくて、人の肩と肩の間のわずかな隙間から観るしかありませんでした。当日券は出ていたけれどかなり人で埋まっているため一歩も動けず、後半も大分すすんだところでそのうち冷や汗が出て視界が暗くなり…これ朝礼で倒れるパターンのアレだ、ということで後ろにさがって壁際に座り込んで音楽を聴いてました。それでも倒れなくてよかった…まわりも大変、自分も大変だからな。しかし2時間立ちつづけることもしんどくなってきたのか…と思ってしまった。欲しかったTシャツを買ったのでサイン会参加権があったのだけど、体調を優先してライブ後は早く会場を後にしました。Tシャツにサインしてもらったら着られないしね。
ヨラのライブの翌日はサニーデイサービスのライブへ。こちらはニューアルバムは買ってあって何回か聴いたけど…くらいの状態で行きましたが無問題。昔のアルバムからまんべんなくやってたなぁ。
Sunny

Sunny

サニーデイ・サービス BEST 1995-2000

サニーデイ・サービス BEST 1995-2000

MCもなく、曲をひたすら演奏する。ギターも一本だけ(これは昔からそうだったかな)、チューニングはするけどその間無駄なおしゃべりも無く…あぁむかしならちょっと間を埋めるように話したり、物販の宣伝したり、次のライブ予定言ったりしてたな。でも会場に来てるオーディエンスももうそういうのは必要としてない。お互いに同じだけの時間を重ねた演者と聴衆。セットもなく、ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムスの3人だけ。それで十分。聴きたい音楽を重ねた歳の分だけ経験をへて上手くなってて、声もよく出てて。でもどこかサニーデイらしい“もったり”感が変わらずあって、それがたまらない。メルパルクホールでオーディエンスも座ってゆったり楽しんで。でも、アンコールの3回目のときに「みんな前にきたらいいよ」という曽我部君のことばに反応して椅子の合間をぬって前にライブハウスのようにつめかける人たち。でもみんな大人だから大丈夫。混乱なんてない。小さいこどもを肩車した人たちもちらほら。あぁ、いいなぁ。
しかし、はじまってからずぅっと思ってた「あれ、丸山君、あんな顔だっけ?…別人、だよね」。それについてはなんの説明もなく。そうMCほとんどなかったし。終わってからともに昔からサニーデイのライブに一緒に行ってきた友人と「あれ…丸山君、じゃ、ないよね」「うん、別人だよね、なんの説明もなかったけどね」。ググったら、たしかに病気休養中だった。ライブ始まる前にちょうどそんな話(「丸山君大丈夫かな、体弱いからなぁ。」と話してた)してたけども。それだけはちょっと教えてほしかったかもな、と思いつつ、や、でもまぁいっか、と思ったり。大好きな曲の数々、とりわけ『ここで逢いましょう』『珈琲と恋愛』『魔法』『サマーソルジャー』『若者たち』『白い恋人』聴けてよかった…や、曲挙げだしたら、結局全部好きだわと再認識。
ヨラもサニーデイもとてもよくて観ながら胸いっぱいになる瞬間があって、それは自分が重ねてきた歳が彼らとともに重ねてきた、っていう思いが充足感を増させているからだろう、って感じた。芸術って時間という要素が本当に大きな部分を占めるのだな、と最近になって強く思うのです。それは映画であれなんであれね。スターウォーズの新作に大熱狂する人たちはシリーズと共に歳を経てきたことが大きいんだろうな、とか、そんなことも思いましたね。