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2016年に観た映画をふりかえる(その1 ベスト作品)

映画 ランキング

2016年もおしまいです。一年、早いなぁ、と毎年同じことを言っている。「ていねいな暮らし」みたいなのには程遠く、仕事、疲労、ガチガチの体をほぐすためのマッサージ、ご飯、洗濯、そうじ、インターネット、睡眠などで終了していく毎日。それでも日々の積み重ねは尊い、と信じている。そんな尊い日々、貴重で有限な人生の時間のうち、週に2時間や4時間(ときには6時間や8時間)は映画を観ることに費やしています。映画をみて、インプットしたことを以前はマメに文章にしていたのですが、いまはそういう時間を割くこともできていません。現在は、インプットしたものを自分のなかで咀嚼して、考えて、話すことでアウトプットしている。聞かされる家人はどう思っているかは分からないけど(右から左へ抜けてることもあるかも?)、映画をみて思ったことやあれこれを間をおかずにアウトプットできる相手がいるのは有難いと思っています。

さて、ひょっとしたら大晦日に映画を観に行くかもしれないけど、それは旧作リマスターになるので、新作で観た作品のベストを考えてみたので文章をしたためることにした。これはあくまで現時点。じわじわ時間が経つごとに味わいが増す発酵食品のような映画もあるのですがね。では参りましょう。まずは年間ベスト。

『さざなみ』


『さざなみ』映画オリジナル予告編

 ラストのシャーロット・ランプリングの表情が絶品です。構成も巧みだし、とても唸らされた映画でした。出来た瞬間クラシック、という風格。

さざなみ [DVD]

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 『私の少女時代』


映画 『私の少女時代-OUR TIMES-』 予告編

台湾青春映画は本当に傑作が多いのだけど、そのマスターピースに連なる一作。ベタ演出満載のコメディなんですがね。こういう回顧形式の映画は青春パートだけキラキラして現代パートがイマイチだったりするのですが、今作は現代パートも良いです。映画祭でみたので、予備知識がなく、サプライズ演出に素直に驚いてしまいました。それも印象深い要因かも。

『クリーピー』


映画『クリーピー 偽りの隣人』予告編

黒沢清の本領発揮!めちゃめちゃ笑えるし、しかも不気味でこわい!というこのバランス。香川照之パンチライン連発すぎるセリフといい、監督おなじみの風にゆれるカーテンやスクリーンプロセスを使った撮影、極端な照明効果に加え、流行りのドローン撮影などすべてがうまく組み合わさりすぎです。上半期より年間のほうが順位があがるというじわじわ来る映画。 

クリーピー 偽りの隣人[Blu-ray]

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 ハドソン川の奇跡


映画『ハドソン川の奇跡』予告編

手だれの職人が、ささっと撮ったコンパクトな作品みたいなのだけど、これが絶品の逸品。ほぼ全編デジタルIMAXカメラでの撮影、という事前情報に、どうして?と謎だったけど観たら納得の迫力ある映像。残念ながらIMAXのハコで観ることはできなかったけど(TOHOなんばのIMAXがもうすこし早く出来てればな…)、映像の力といい、シンプルで力強いストーリーラインといいイーストウッド御大、さすが。

シン・ゴジラ


★竹野内豊 石原さとみ 出演 映画 『シン・ゴジラ』 予告

庵野さんが「好きにした」ゴジラエヴァゴジラ。秀でた作家が相性の良い題材でやりたいことをやったら面白くなるわけだ。日本政府の意思決定プロセスは会社員でも公務員でも、ピラミッド型組織に属する者には「あるある」な描写あったのでは。そしてゴジラの形態。あの気持ち悪さ、素晴らしかったです。

 

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

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 スティーブ・ジョブズ


映画『スティーブ・ジョブズ』予告編(90秒版)

ちょっと前にあったアシュトン・カッチャー版とお間違いなきよう。ダニー・ボイル監督マイケル・ファスベンダー主演のほうです。実際のジョブズの人となりはそれはもう大迷惑な最低野郎としか思えないのですが、今作では、映画のマジックによりとてもいいヤツだったかのように思えてくる。実話という事実の種をいかに育てるか、フィクションによる再構築、編集の妙、その凄さを感じられる作品。脚本がアーロン・ソーキン(『ソーシャル・ネットワーク』脚本)ということで大納得。役者陣の演技も絶品です。

 

 『ヒメアノ~ル』


ヒメアノ~ル PV

ネットの映画好きの人々の評判がすごかったので観にいってみて、これは度胆抜かれた。吉田監督作品は何作か観ていてもともと好きだったけど、こういうバイオレントな映画をこんなふうに撮れる方だったのか!と。そして特筆すべきは森田剛。最高です。タイトルの出方は今作が今年ベストかも。

 

ヒメアノ~ル 豪華版 [Blu-ray]

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 『ダゲレオタイプの女』


『ダゲレオタイプの女』予告編

黒沢作品二作品目!監督はフランスとの相性がいいんだな~と思った。『クリーピー』ほどギャグは無く、しみじみとする怖くて素敵なラブストーリー。青いドレスの美しさが忘れられない映像もよかったな。良いクロサワ作品を二作も観られていい年でした。モチーフ的には乱歩ぽさ(『押絵と旅する男』的な)もあったりして、好きだな~。

 

『海よりもまだ深く』


映画『海よりもまだ深く』予告編

是枝さんの作品では一番好きかも。冒頭の1シーンで、もう、これは間違いない映画だと思った。団地映画としても至高でしょう。いい映画です。是枝さんが関わった西川美和監督の『永い言い訳』(今年公開)もめちゃめちゃいい映画で大好きです(ベスト10本には入れられなかったけど)

 

 『母の残像』


映画『母の残像』予告編

これはストーリーを説明しがたい映画なんだけど、ディテールがとても丁寧で、しかも題材的に深刻ぶったお話にいくらでもできるのに、ギャグも結構織り込まれてて、そのユーモアが結構効いてる。そして実は青春ものでもあるという、予想外の展開。ユペール様もすばらしく、早口ジェシーガブリエル・バーンという結構豪華キャストを生かしきってたトリアー甥っこ、要注目だな、と思いました。すごくじわじわと好き。

では半年ごとで区切って考えた上半期と下半期のベストを

上半期ベスト

『さざなみ』『私の少女時代』『スティーブ・ジョブズ』『サウルの息子』『神なるオオカミ』『スポットライト』『ヒメアノ~ル』『ボーダーライン』『クリーピー』『海よりもまだ深く』

※ベストには漏れた『サウルの息子』は強烈な映画でした。忘れがたい映画。『スポットライト』も力強いいい映画。

下半期ベスト

シン・ゴジラ』『ハドソン川の奇跡』『ザ・ギフト』『ダゲレオタイプの女』『母の残像』『ブルーに生まれついて』『ブリジット・ジョーンズの日記』『ブルックリン』『永い言い訳』『シング・ストリート』

※『ブルーに生まれついて』はチェット・ベイカーをモデルとする映画。これもすばらしかった。ベストにいれたかった。ラストの切なさがたまらない。『ザ・ギフト』ジョエル・エドガートンの才能に驚嘆したし大好きだな~。『ブリジット・ジョーンズの日記』はイギリスコメディ映画の久しぶりの続編でそこまで期待してなかったけどおもしろかった!コリン・ファースがかっこよい可愛いすぎて悶絶ものでした。『ブルックリン』ファッションが素敵だし、ドーナル・グリーソンもよかったですよ。『シング・ストリート』はあの頃の音楽そしてMV好きの自分にはたまらなかった。サントラをリピート&リピート再生してました。

とりあえずきょうのところはここまで。