あやめかた、創意工夫しすぎな人々

今日は、twitterのタイムラインでお見かけしたぷーちさん(@poof214 さん)のツイートのリンクを見て、思い起こしたりしたことをつらつらと書くことにします。
TVドラマってよく殺人事件が起こりますね。2時間ドラマでは確実に起こるし、今は絶滅危機にある時代劇でもクライマックスでは大概、人を斬ってる。先日の『龍馬伝』でも主役が斬られてたし(だのに、香川照之の死に様に全部もってかれるっていうある意味伝説の最終回)。でも、ちょっと昔のTVではえげつないというか、もう何かを超越しておもしろい!みたいな死に様が結構ありましたね。人の殺め方が見せ場っていえば、なんといっても『必殺!』シリーズ。平日の4時台くらいの再放送やサンテレビ日曜昼間の再放送なんかで『仕事人』だか『仕掛人』だかシリーズの別もよく分からないながら観た断片も結構なインパクトでした。
記憶の中に残っている方法は・ひかる一平の電気機器(エレキテル的ななにか?)による感電・三田村邦彦のかんざし、鶴瓶さんのぽっぺん(ビードロ?)をガシャンと割って鋭利なガラス片にして殺す・誰か忘れたけど腹に手をつっこんで肋骨をわしづかみ(レントゲン的動画つき)・京本政樹の組み紐 あたりですかね。でも最も覚えているのは、なんといっても・中条きよしの三味線の弦を鴨居にひっかけて首吊り→ターゲット吊られてじたばた→きよし弦をはじく→ターゲット首がっくり ですね!三味線のお師匠である中条さんは、仕事の前には入念なロケハンが欠かせないよ。位置関係も重要。前にスチャダラのアニが、大好きな『寅さん』の話をしていて、一画面にこれ以上無い密度で寅さんとその家族や関係者が配置されて映りこんでるすごさ、について語ってたけど、そんな山田洋二なみの綿密な計算が必要なはず。えーっと、ターゲットが部屋のここに座ったら、自分はここに行って、首に糸巻いて、あそこの鴨居にひっかけて…すごいな三味線のお師匠。
あと、どうでもいいことですが、中条きよしも京本さんも、カツラの右か左かのこめかみ辺りに20本くらいの束の髪が垂れてたなー。あのシリーズのイケメン役は髪をちょろりと垂らす法則があったのでしょうか。
で、『ブラック・エンジェルズ』ですよ。これ小さい頃に家に転がってるのを見て、画面は黒いし、オヤジばっかでてきて絵もかわいらしさの対極だし、恐怖しつつすごいインパクトを受けたんです(こどもだったから余計かも)。ストーリーの細かいことはまったく覚えてない。『必殺!』的な、表の正義がただせない悪を懲らしめる黒い天使、みたいな骨子だったかなー、くらいで。じゃ、なにを覚えてるか、っていうとその、悪いおっさんをどうやって殺めるのか、なのです。
ながーい針みたいなの《ググったら自転車のスポークと判明》を後ろから首(ぼんのくぼ、あたりが理想)にすいーっと差し込む。怖い!思い出したら怖くなった。あれ、どこにどうやって収納してたんだっけ?収納しとくのが危ないよ。針収納の皮袋とか?や、革じゃ危ないからプラスティックか?
ブラック・エンジェルズごっこで菜ばしを持ってマネした(「地獄へおちろ…」でしたっけ)こともぼんやり思い出した。こどもだったあの頃。
『必殺!』も『ブラック・エンジェルズ』も現実にありえなくて、完全にエンタテインメントです。映画の中に描かれる痛そう描写は、やっぱり今でもニガテですがあくまでクリエーターが全力をあげてつくりあげた「嘘もの」。レクター博士が飾り付けた死体は、すごすぎて目を見開いて見入ってしまう。『瞳の奥の秘密』に出てきた死体は、久々に『ツイン・ピークス』の《世界で最も美しい死体》ってコピーを思い出したのと同時に「あー、ほんとにこんな殺害をするヤツはサイテーの最悪だ、心底イヤだ」と思った。
だから、しごく当たり前のことですが、人殺しの映画を観たことにより有害な影響を及ぼすなんて、無いと思う。有害な映画等の影響を受けて云々、じゃなくて、基地の外の人は、もう最初から立っている地平が違うっていう話で。
というわけで、TVドラマでまた『必殺!』みたいなの(ちょっと前にあったジャニーズの人たちのリメイクじゃなくて)復活してほしいし、洋画劇場でもちょっと怖い映画とかやったらいいと思うし、そんなのをうっかり見ちゃったこどもたちに適度にトラウマを与えて通過儀礼を体験させるのもTVの役割かも、なんて思ったりしたのでした。
こんなところで。


『ブラック・エンジェルズ』
http://www.amazon.co.jp/dp/4086176211/
羊たちの沈黙
http://www.kinejun.jp/cinema/id/7527
瞳の奥の秘密
http://www.kinejun.jp/cinema/id/41151