タイミングと継続

TVの連続ドラマを夢中になって毎週継続してみることは余りありません。なにより、一話見て、またその続きを7日間も待たなければならないということがとても焦れるのです(せっかち・・・なのか?)。だから映画のサイズ(2時間くらい)がとても好きなのですが、こんな自分でも7日間じれったくても心待ちにするようなドラマに出会うことがあります。恋愛モノにあまり興味はないのですが、たまに恋愛が主題のドラマでも心のどこかにすぽっと嵌ってしまい、録画してでもドラマを見ることがあります。月曜9時枠の恋愛ドラマ『プロポーズ大作戦』はそんなドラマのひとつです。
ジャニーズ事務所所属という色のついた山下智久さん(以下やまぴー)と東宝シンデレラガール長澤まさみさんの二人が主演のドラマです。やまぴーは長澤さんのことが本当は大好きなのに、長澤さんは別の人と結婚してしまうことになってしまった。それでじめじめ落ち込むやまぴーが“妖精”の導きによって何回も過去に戻って、現在のシチュエーションを変えてしまおうとトライし、失敗し、の繰り返しをする。その過程でじめじめしていたやまぴーが段々と地力をつけて成長していく、というお話でした。
三上博のエキセントリックな“妖精”も面白かったし、主役の美形二人のまわりにいる濱田岳がよかった、等などありますが、つまるところ、ベタにストーリーに嵌りました。そりゃ結末も想像できるし、どっかで見たようなお話の引用で成り立ってる部分は多いわなー、という感じだけど、やまぴーが何度も発するこのドラマの鍵になる言葉がベタに心に響くんですよ。“明日やろうは、ばかやろうだ”。今できることを先延ばししてはいけません、という使い古されたというか、あまりに定番すぎるフレーズだし、あいだみつをもどきが路上で黒々とした墨に太めの筆を浸して、紙面いっぱいにのたくった字で書きそうですよね。「はい、これがあなたに贈る言葉です」なんて言って落款押して。
このドラマにおいては、一瞬一瞬の積み重ねとその過ぎてしまった時間の蓄積の結果、大好きな人が失われてしまう、という取り返しのつかない事態に辿りついてしまった後悔がこれでもか、と描かれています。その具体的な後悔の有様をまざまざと毎週見せられているうちに、そんな凡庸な言葉がヤケに響いたのです(こんなに素直じゃない自分でも)。やまぴーが過去に決定的な行動を起こしていれば、現在は劇的に違ったかもしれないということが視聴者には分かるから、一瞬の尊さが際立つ。
うん、今できることを先延ばしにするのはよくない。それはよく分かるよ、頭の中では分かりすぎるほど分かっている。だから本屋さんでも“仕事術”やら“スケジュール管理術”やら“ダイエット法”とか売れ続けているんでしょう。こうすれば、よりよい生活を送る自分に変われるかも!と思って。また、この時期には手帳や日記帳も売れますよね。よし、新しいのに切り替えるタイミングで、ちょっと自分もなんだかrebornできるかも、なんて。
自分も小学校のときに、新しいノートを買ったら「よし、これからはすごくキレイにノートを書こう」と誓う、でもちょっとでも字を間違ったり汚くなってしまったら、もういいや、とガラガラ崩れる・・・の繰り返し。大晦日がすんで新年になったらちょっと新しい自分に心機一転・・・、というのに始まり、中学校にあがったら、高校生になったら、大学生になったら、社会人になったら、転勤したら・・・うん、ずっとそんな繰り返し。○○デビューってわけでもないけど。
でも、自分の中身は結局そんなに変わってないんだから、ノートだってすぐキレイに書けるはずもないし、1月1日になったからといって、人間性がリフレッシュされるわけでもないし、環境が変わろうが、そりゃ変わるはずなんてない。だからこそ、ある日ふと自分の中から沸いて出たインスピレーションで“これをやりたい、やってみよう”と思ったら、そのときがはじめるときだな、と思うのです。そういうのが少しの変化の契機になりうるのでは、と。ぐだぐだして、もっとリサーチして準備が整ってから、とかコンセプトを固めてから、とかやってたらいつまでも時は来ないな、と。ノアだって天啓のようなインスピレーションを受けて、即、箱舟を作りだしたじゃん。『フィールド・オブ・ドリームス』のケビン・コスナーも野球場作ったじゃん、天啓だか、神のお告げだか、先祖の声だか、もしくは自分の奥深くの欲望から生まれたインスピレーションだか、わからないけど。
数年前から「何か書いてみようか」とずうっと思い続けていたのに、一歩が踏み出せないままズルズルきていたのが、先月、「ああ、もう、始めちまえ」と思ってコンセプトも何もないままこのブログを書き始めました。これまでこの日記を読んでくださった方々、どうもありがとうございます。日記を書いてネット上にログを残させてもらってるだけでもありがたいことですが、読んでくれている人がいると思うと素直にうれしいです。反応があると、たいそううれしいです。《ささやかに生息しているブログなので見ていただいた方の数は少ないけど、少ないだけにありがたいなと思ってます》
書くことを習慣づけようと思って、特に最初は毎日更新しようと思っていたので、あえて“うろおぼえ”のまま書くことにしました。かっちりした内容じゃないけど、すこしでも共感してもらえたり、こんな考えの人もいるのかー、とか思っていただけると幸いです。30日間更新したらこの「はてなダイアリー」の“市民”になれるので、実は始めた時点で30日をひそかに一つの目標にしていましたのですが、昨日で30日達成できたのでした。ちょっとほっとして、これからもできれば、毎日更新をしたい(けど無理しない程度に適当に休んだりして)と思っています。文章を書くのは、脳の思考が整理されたり思いも寄らぬことを思い出したりできてたのしい作業だな、と思っています(言葉が出てこなくて、しばし思考停止に陥ることもあるけど)。今日は極私的日記となりましたが「はてな市民」になるまで続けられた日という意味ですこし区切りの日記です。次の目標は、はてな市民銀になれる100日だな。

プロポーズ大作戦』2007年 山下智久長澤まさみ 主演
http://www.amazon.co.jp/dp/B000VUSIMQ
※ドラマや映画ってみるタイミングでヤケに感動したり響いたりしますね。このドラマを今見ても同じように思えるのかなー