アシュトンの可愛さはナタリーを超える『抱きたいカンケイ』

ナタリー・ポートマンアシュトン・カッチャー主演のラブコメ映画です。ラブコメ、って自分には縁遠い、というかあんまり観てないことに気付いたのですが、『ブラック・スワン』や『マイティ・ソー』の公開も控えていることだしな(『Your Highness』は公開されないのかな)、ということで観に行ってまいりましたよ。
お話は、15年前、5年前、1年前にさかのぼってからはじまる*1。ナタリー演じるエマとアシュトン演じるアダムのキャンプでの出会い、大学時代のパジャマパーティでの再会、その後社会人になってからの再会。大学時代の場面では、パジャマパーティで再会したエマがアダムをデートの約束ぽく思わせぶりに誘って、父の葬儀に付き合わせるんですが、このあたり、エマの感情や真意が分かりにくい、…あぁ、そういうちょっとアイロニカルなところのある人っていうことかな。一方、エマに誘われてパーカー着てほいほい出かけたら葬儀の場だったにも関わらず、怒ったりせず神妙な顔で参列するアダムについては、こいつアタマはそんな良くないかもしれないけど、素直ないいやつ!と思う。そんなキャラ説明をさくっとしつつ二人の因縁を描いて、二人のラブストーリーが始まる。
元カノを父親に取られたアダムがヤケになって、携帯電話に入ってる女の子の電話番号に酔っ払って電話かけまくったことで再会を果たした二人。15年前からの縁ながら何事もおこらず来たのに、あっけなくカンケイ*2を持つ。ナタリーは賢いから、自分のキャラもよくわかってるから、医師でキレ者で自分の考えをしっかり持っているエマという役を自分に割りふってる。でも、そんなスマートなエマが、なんでアダムと再会即カンケイに至るねん…すごいスピードだったよ…。考えうるのは、“実はエマは昔から、アダムのことが好きだった”。あぁ、そうだ。これですべて腑に落ちる。劇中ではアダムがエマを好きで、でもエマは「割り切ったカンケイでいきましょ」と言って彼の気持ちに応えず、アダムが振り回される感じ。…しかし、実のところ、エマは傷つくのを恐れて自分の気持ちに気付かないフリしてた。でも別れて気付いたの、やっぱりわたし、あの人が好きだった…!てよくあるパターンじゃん。でもこのジャンルの映画はベタじゃなきゃだめなんで。変なツイストかました日には、何してんねん、となりますから。それにどう考えても、出会って即カンケイって、好きじゃなきゃできないって。1年前の場面でもアダムのアホっぽい彼女をみたエマの表情が微妙だったじゃん。そう、エマはアダムが好きで、アダムもエマを好きな相思相愛なのに、エマは自分の気持ちに素直になれなくて、だからドラマが始まるわけですね。
骨格さえきちんとしてトンデモ脚本じゃなければ、あとは細部とかコメディ部分とかがいかに気が利いてるか、ラブ部門が盛り上がったときに観客をいかにスウィートな気持ちにさせるか、ってことが重要。その意味ではアシュトンの可愛さで、かなりディテール部分はよかったと思う。誰がどう見てもラブリーな彼は、有る意味ナタリーを超える可愛さを獲得していた。ナタリーは固いから、どうやってもちょっと固いから、やわらかくて、ふにふにしたようなアシュトンはいいキャスティングでしたね。優男のモテ男だろーなー、アシュトン、かわいいよ、アシュトン。ナタリーはがんばってもがんばっても、生真面目だよなぁ。首の下の骨の浮き出た胸板部分とか、意志の強い眼差しも、色気とかセフレとか、そんな感じでは…。ムリしなくてよろしいよ、というのも思ったけど、童顔でキレイな彼女がラブコメ演技をがんばってたよ。演技上手だしなーやっぱり。コメディ的には嵌りきれてないかもしれないけど。
ハイスクールミュージカルばりのTVドラマの撮影風景を入れ子で挿入したり、アダムの男友達のいかにもなアメリカンな感じといい、途中のセフレ生活部分のテンポいい編集といい、コメディ部分といい安心して楽しんで観られる、すこし懐かしいようなアメリカのラブコメ映画でした。本当にアシュトンかわいかったなぁ。

抱きたいカンケイ』(2011/アメリカ)監督:アイヴァン・ライトマン 出演:ナタリー・ポートマンアシュトン・カッチャー
http://www.dakitai-kankei.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD17789/

※とはいえ、『SHOWBIZ COUNTDOWN』では結構な辛口コメント付きそうな映画だけど(そして実際辛口コメントがついてたような気がする)。
※最後のちょこっと出てきた犬がすごく可愛くてたまらんかった。
※アダムの男友達がゲイのパパたちに育てられた設定。『キッズ・オールライト』といいよくある家族のカタチなのかな。
※しかしアメリカの大学のパジャマパーティ、半端じゃない。プロムといい、パジャマパーティといい…つくづく自分はアメリカに生まれなくてよかったよ。

*1:うろおぼえなので年数は間違いがあるかも

*2:映画の日本語タイトルに敬意を払ってみた