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原色ロマンティックバイオレンス『ドライヴ』

映画

ここのところ役者としての存在感がぐんぐん増してきたライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』を観ましたよ。事前情報で「説明描写を極力排した」「画のチカラでみせる感じ」「バイオレンス描写が結構すごい」と聞いてましたので、結構覚悟してたから、そこまでショックや「予想と違う!」ということはなかったです。思った以上に色調の現実離れした乾いた感じに、コレハ現実デハナイ、という感じを抱かされましたね。どこか寓話な感じ。デヴィッド・リンチっぽい感じも得たなぁ。で、あとなぜだかちょっと思い出したのはソフィア・コッポラの『SOMEWHERE』。これもどこか寓話っぽくて(双子のポールダンサーとか華やかな衣装やフィギュアスケートのシーンとか)、画面に横溢する“雰囲気”で持ってく映画だったんですが、同じような“雰囲気映画っぽさ”を『ドライヴ』からも感じたんですよね。“雰囲気映画”って表現は、けなしてるんじゃなくて観る人によって肯定的に受け取るか、否定的に受け取るかは、まさに“雰囲気”にノレるかノレないかで、感覚的にヤだなぁ、と思う人もいれば、映画がすぅっと体のなかに入ってきて魅力に心をわしづかみにされる人もいると思う。自分はというと、『SOMEWHERE』と同様“なんだかスカしてるな〜”と思いつつ、でも、どこか引っかかって魅力を感じるのよなぁ、っていう感じ。バイオレンス描写もものすごそうで、案外“そのもの”は映してないんですよね。殴ってる人のアップで殴られてる側は映してなかったり、殴られた後の様子を映してることが多い。その点も雰囲気映画っぽさを感じた所以かな。(音効はバイオレントな感じでしたけどね)
ひたすらカッコいい映画であろうとして、一歩間違えるとハードボイルドなアクション映画のパロディとかにも見えかねないのに、ギリギリのところでスタイリッシュなレベルにとどまり続けている、という感じ。それが結構きもちよかったのですよね。エレベーターのシーンとか、クラブに乗り込むシーンとかね。どこかワザとらしい演出過多なところも感じつつ、でも惹きつけられるっていうか。それはゴズリングのたたずまいの寄与しているところも大きいのかも。
と、この感想文もかなり感覚的だな。うん、でも色使いといい、あの銀色のサソリスカジャンといい、キャリー・マリガンのウェイトレス姿といい、空の色、数少ないセリフの驚くほどのベタさといい、エレポップな音楽*1といい結構心のツボをつかれる感じでした。クセがつよいけど、自分は結構ガツンときました。とあるシーンでは“この後くるぞ”、とわかってたのに驚いて座席から軽く浮いてしまいましたし、気になる人はぜひ劇場のいい音響で観てほしい映画だな。
『ドライヴ』(2011/アメリカ)監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 出演:ライアン・ゴズリングキャリー・マリガンブライアン・クランストンロン・パールマン
http://drive-movie.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD20262/index.html

※あともうひとつ強く思い出したのは『アジョシ』!これは思い出した人多かったんじゃないかな。アメリカ映画になると、『アジョシ』と違って恋愛がきっちり絡められるんだな、と思いました。

*1:ダフト・パンクとかフェニックスを思い出して、それで『SOMEWHERE』を想起したのかも