スパイディの青春『アメイジング・スパイダーマン』

先行で観に行ってきましたおなじみスパイダーマン!そういえばUSJのスパイダーマンのライドにも乗ってみたいものであるな、とか思いつつ、『500日のサマー』でおなじみになりすぎたマーク・ウェブが如何ように演出したのか楽しみでありました。なんといってもトビー&キルステンというコンビとは異なる方向にカジをきった感のある美男美女路線*1。どんなオシャレに仕上がってるのか、と。
ピーターはイケてないヒョロったカメラ青年という設定。で、なぜか自分は『アメスパ』の時代設定は近過去だと思い込んでたので*2、ピーターの持っているカメラもフィルムカメラだと思ったし、ラボとかもレトロフューチャーな感じなんだろうな、と思ってた。発明君な性質を持つピーターが部屋をロックする仕掛けも微妙にマニュアルな感じだし…。でもこれが全然違ってまして、バリバリに現代かニア・フューチャー?が舞台みたいですね。映画の途中でPCのモニターが薄っぺらだしPC本体もデカイ箱じゃない!というので気づいた。しかもネットでバリバリ検索したりしてるし…。レトロフューチャー感とかそういうガジェットで遊ぶより、ピーターとグウェンの青春胸キュン恋物語を軸にヒーローな感じとか親の失踪の秘密とか絡める感じなんだな、と理解。こういう要素って、マンガによくある構造だよね*3。恋のドキドキと主人公と親との関係性、そして主人公の成長…『美味しんぼ』だってそうだものね(違。
青年らしく親代わりの伯父さんに反抗したいさかいの直後に伯父さんが亡くなって超後悔したり、とド定番の展開である意味安定。ピーターの“ヒーローゆえの苦悩”もまだないし(その手前の段階)安心して“ヒーローになるまで”の過程と、ヒーローとヒロインの恋が始まるころの距離感を縮めようとお互いの気持ちを量るような手さぐりのドキドキ感などがミックスされているおもしろさを味わえる感じですね。
とりわけピーターが素材を厳選してネット通販で注文し、ハンドメイドでスーツを製作していくところ。お前、裁縫得意すぎじゃん!というすばらしいクオリティであります。あと糸を出す機械(ウェブ・シューター)を創ったり…でも蜘蛛に刺されたことにより腕から直接糸が出るようになるんじゃないのかー、とコレはライミ版からの変更で、ちょっと残念でしたが。モノが引っ付いてとれなくなったり、怪力になったり、それを制御しきれず電車で思いがけず大暴れしちゃうシークエンスはおもしろかったな。あとはおなじみの、パワーを得てちょっと調子こく主人公シークエンスもちゃんと描かれておりましたね。それがハイスクールで展開される感じが、なんとも青春キラキラ。あとは学校でのグウェンとピーターの誘う誘わないみたいな微妙な空気感と距離感とか、さすがに『サマー』の監督だけに大変秀逸。ただ『サマー』でも思ったんだけど「なんだかんだ言っても、結局はイケてるルックスの持ち主で、イケてないハードルを越えるポテンシャルのある人たちの物語だよな」という感はぬぐえない。キラキラまぶしい、そしてそっち側の世界には自分は決して行けないし属してもない、という傍観者感(さみしい)
でも映画全体通して思ったのは、前日譚だよな、これは、という感じ。続編が勝負でしょう。どっちに転がるかな。だからまだ『アメイジング』一歩手前『スパイダーマン』だな、と思ったのでした。そんなスパイディの青春映画。
アメイジングスパイダーマン 監督:マーク・ウェブ 出演:アンドリュー・ガーフィールドエマ・ストーンリス・エヴァンスデニス・リアリーマーティン・シーンサリー・フィールド
http://www.amazing-spiderman.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD19305/index.html

*1:トビーとキルステンを貶しているのでは全くない

*2:なんでだろ前日譚ということでX-MEN:FCみたいなイメージだったのかな

*3:決して貶してません