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最近劇場で観た映画たち『星の旅人たち』『ハロー!?ゴースト』『きっとここが帰る場所』

『星の旅人たち』(2010/アメリカ=スペイン)監督:エミリオ・エステヴェス 出演:マーティン・シーンほか
『星の旅人たち』は『サン・ジャックへの道』を思い出したな。両作に通じるのは巡礼を材に取った映画ということ。巡礼とはいっても距離がやたら長いし道は険しい。さぞや崇高な宗教的神秘体験ができるのか…とおもいきや案外宗教色が強くないし(却って世俗的)、ラストも神に目覚めるという劇的なものではなくて、旅の仲間と試練をこえて交流することにより、すこし優しくなったり、強くなったりする、という感じ。今作もそういう系譜に連なる作品でした。
フランスからピレネー山脈をこえてつづく巡礼路。サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す旅は800キロにも及ぶとのこと*1。長い道のりをバックパックを背負ってスタンプラリーしていくのです。裕福な眼科医のトムは父とは違う生き方を志向する息子を失う。巡礼の初日に亡くなった息子のなしえなかった旅を継ぐ父。エミリオ・エステヴェスとマーティン・シーンの実の親子共演も見ものですよ。かけがえのない息子を失った父。大切なものを失ったこと空白は埋められない。ただ、彼の残したものや、生前は理解しえなかったことを、息子が辿ろうとした道を歩くことで見出そうとする。人は生きている限りなんらかの意味を見出そうとするもので、つまり“物語”を紡ぎだすことは生まれながらの欲求なのですな。その物語を紡ぐ助けとなる糸になるのは、他人との縁や関係性の網目であって、それが今作では旅の道連れ達。“他者”であり目的地を同じくする“道連れ”との接触により、自分や息子、世界や人間についてこれまで気づかなかった視点を持ち始め、大きな空白の空いてしまった人生に再び新たな意味を見出して物語と紡ぎはじめていく。世界各国から集まった巡礼者のお国柄*2もたのしいし、うつくしい風景もよかった静かな佳品でしたよ。しかしあの父子、超そっくりだったな!ふたりともいい顔であった。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD21520/index.html

『ハロー!?ゴースト』(2010/韓国)監督:キム・ヨンタク 出演:チャ・テヒョンほか
やー、これ、途中まで「わざわざオーサカまで観に来たのによー」と思ってましたね。ご都合主義に強引な展開、余命わずかな登場人物、ちょっと浮いてるほどの美人さんのキャスティングに、わざとらしいしぐさや演出。アレレ…という感じだったけど、最後の最後の展開に「そういわれれば!」なんだけど気づかなかったので、ヤラれたなあ、という感じ。ベタ中のベタだけどね。自分の中では『シックスセンス』枠なんだけど、でもちょっと大味な『シックスセンス』って感じかな。ドンデン好きはゼヒ一度どうぞ…!幽霊ズのキャストもよかったよ。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD21517/index.html

『きっと ここが帰る場所』(2011/イタリア=フランス=アイルランド)監督:パオロ・ソレンティーノ 出演:ショーン・ペンほか
予告で想像してたとおりトーキングヘッズのライブ映画でした。あと予告で使われてたショーン・ペンがピンポンする場面で大笑いしてるお客さんが一人いました。で、寝息は複数きこえてきて、えーっと雰囲気映画で、あーっと…。そうそう、ショーン・ペンロバート・スミスみたいになってて、前髪をSMAP中居さんがかつてやってたみたいにフゥフゥしてて、へにゃへにゃと歩いてて、ふにゃふにゃしゃべって、ビジュアル系ってなんでショッピングカートとかコロコロのついたバッグをコロコロしてるのが似合うんだろうとか、ショーン・ペンはなにかに傷ついているようだけどそれが何故だかはいまひとつわからなかったり、説明過多なのはアカンというけど説明なさすぎて自分にはわからなくて(単なる理解力不足説が有力)、奥さんがフランシス・マクドーマンドでなぜか消防士なんだけどその設定もよくわからんし、どうやら株で儲けてるらしいけどその設定もよくわからんし、ビジュアル系でイメージ重視の歌詞に感化されたファンが自殺?したのかな、でもなんだかそれもぼんやりしとるし、ユダヤ人設定とか父と息子の関係性とかアウシュヴィッツとかもなんとなく察せよ、なんだけどよくわからなかったり、なにより最後にショーン・ペンショーン・ペンになってた(ロバスミ風メイクをさっぱり落として髪も短くしてふつうのおっさんになってた)のが何故だかさっぱりわからなんだのでした。誰かに意味を教えていただきたいであるヨ…(この映画の感想、“わからん”ばっかり書いてるな…)
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD21637/index.html

*1:これは『サン・ジャックへの道』と同じ巡礼路

*2:結構ステレオタイプ