前日譚のはじまり『ホビット 思いがけない冒険』

HFR3Dで観ました。映像は、ゲームがでっかい画面で繰り広げられてるみたいに見えましたね。徐々に慣れましたが、ぬるりとろりとした質感に見慣れてないからか、自分は普通の方がよいかも…画面をスプリットにして見比べてみたいかな。もともと自分の眼のクセかもしれないけど、3D効果を感じ取りにくいので、2D字幕でいいかもなぁ、つぎは。
言わずとしれた指輪物語の前日譚。マーティン・フリーマンは、ビルボのユーモラスで茶目っ気のある仕草などがホビットの属性を表していてとてもあってたな(トロールの鼻から出てくるのはマーティン・フリーマン演じるホビットじゃなきゃダメでしょう、フロドじゃ美形すぎる)。ドワーフたちは正直なんでホビットが旅の連れに必要な訳?と思ってるけど、ガンダルフはものすごく強引にビルボを仲間に引き入れる。巻き込まれ型主人公のビルボ…ってフロドやサムもそういう展開だったよね。これも運命なのでしょう。運命は必然ともいう。“運命”はホビットだったら誰でもいいわけではなく“ビルボ”をこそこの危険な冒険にのぞむ仲間に選んだのでしょう。
ガンダルフが途中で、なぜホビットを旅の仲間に?の問いに答えるところが、自分的に今作のハイライトでありました。地道に、同じことの繰り返しのような日常の営みを続けることのできるホビットこそが強いのだ。それは強権的な勢力や強引な上からの支配ではない、ひとりひとりの中にあるものこそ尊いということ。人は劇的になにかを変えたり、自分こそがどうにかできると思ってしまう。そうじゃない、一日の営みの続きに次の日の営みが生まれる。それらのちいさな集積が生活や歴史となる。
ドワーフたちのキャラも良いし、トロールの出演もうれしかった。あのトロールたちのシークエンスでは、劇中の旅の一行にむかって「トロ―――――――ル!」って叫びたかった*1。なぞなぞ合戦のゴラムも最高。最後の展開はまんま『旅の仲間』でしたが…。まぁ、来年をたのしみにまちましょう。それまでは一日一日日常を生きるのみ。ホビット族のようにね。
今作中の一番のおきにいりファンタジーアイテムはウサギのソリでした。ウサソリいいな。
ホビット 思いがけない冒険(2012/アメリカ)監督:ピーター・ジャクソン 出演: マーティン・フリーマンイアン・マッケランリチャード・アーミティッジケイト・ブランシェットイアン・ホルムクリストファー・リーアンディ・サーキスヒューゴ・ウィーヴィングイライジャ・ウッド
http://wwws.warnerbros.co.jp/thehobbitpart1/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD20721/index.html