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カナザワ映画祭2015に参加した記録日記(映画9本+トーク2本)

思いかえすと2011年の「フィルマゲドン」から毎年行ってて今年で5回目の参加となったカナザワ映画祭。会場が都ホテル地下セミナーホールに変わってからは都ホテルに宿を取っていたのですが今年は北陸新幹線開業の影響もあってか宿の予約状況がすごい!との情報が。映画祭のテーマ発表を待っていては宿が取れないかも、ということでテーマ発表前の段階で近くのホテルを押さえました。そして発表されたテーマは“田舎ホラー”“彼方より”あとは“爆音メル・ギブソン”“爆音カーペンター”です。楽しみしかない。そうして列車も指定席を押さえ(これも例年以上に席が埋まるのが早かった)3泊4日の映画漬けの秋の連休がスタートしました。
9月19日(土)
サンダーバードに乗車して金沢へ。しかし途中、長岡京で人身事故が発生…しかしこれもやむなし。列車が動くのを待つしかないわけで、結局1時間遅れで金沢着。一本目に予定していた『山の一家』の前売り買ってたんだけど、まぁ映画祭へのお布施、ということにして、続くプログラムの悪魔のいけにえ4K版からスタート。あえてのこだわりのモノラルでの爆音上映。ちゃんと観たのは初めてだったのですが、これが滅法面白いしちゃんと怖い。や、思いかえすとそんな直接的な残酷描写ってないんだ。でもちゃんと、ものすごく怖いし、しかもちょっと笑えるし、セットや小道具も最高だし、レザーフェイス、コック、じいさま、ヒッチハイカーの殺人一家ももちろんだけどフランクリン&サリー兄妹らも素晴らしい。爆音上映の威力がOPのラジオの音が聞こえるところから発揮されまくってて痺れました。続いて、カーペンターの要塞警察爆音上映。これまたおもしろい。アイスクリームマンのくだりとかも最高だな。何年か前にTVでやってた『アサルト13』っていうリメイク作品がつまらなくて途中で観るのやめてしまったのだけど、カーペンターのは短い尺でテンポよくどんどん進むし気持ちいい。で、このカーペンター入魂のスコアが今回の映画祭の幕間でずっと流れてて、すっかり映画祭のテーマ曲みたいになってました…いまも脳内で響き渡ってる…

この日の食事:昼は駅弁、夜は回転寿司(@すし玉)

要塞警察 アサルト・エディション HDリマスター版 [Blu-ray]

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9月20日(日)
この日は『ブラック・エース』からスタート。リー・マービンジーン・ハックマンらの主演映画。これはたしかに田舎ホラー。流麗な音楽が流れるOP、それはソーセージ加工工場で人肉ソーセージを作ってる過程なんだな。シカゴの都会代表リー・マービンvs田舎代表ジーン・ハックマンの対決の中に『キャリー』以前のシシー・スペイセクが!若くて普通にかわいい役でびっくり。それにしても途中で乳首すけすけのシースルードレスでディナー食べに行くシーンとか、いったいなんなんだ。サービスショット?や、そういや『悪魔のいけにえ』でもサリーを捉まえて家に運ぶときに、コックがわざわざ小屋の電気を消し忘れてたのを消しに行くシーンとか、ムダに思えるんだけど、なんかうまく説明できないけど、このシーン要るわ、と思わせる余剰の部分、みたいなのが映画には必要だな、って思ってみたり。続いてジョン・ヴォイトバート・レイノルズらが主演の『脱出』爆音上映。途中で出てくる衝撃的シーンもすごいのですが、ジョン・ヴォイトバート・レイノルズの関係性にしてもどこかしら“ブロークバック”感があってですね…。映画としてとてもおもしろいし、異なる秩序の共同体*1に住まう人々とは安易に分かりあえない感(バンジョー少年とのくだりとか)も空恐ろしい。続いては平山夢明先生と牧野修先生のトーク。田舎ホラーというテーマながらどんどん逸れて、平山先生のインド話など…覚えてる印象的ワードは“インド・アイ”“お薄ちゃん”ですね。続いて中国大陸の映画、『無人区』爆音上映。これは観たことある人出てるなと思ったらホアン・ボーさん。結構メジャーな人が出てます。そして中国大陸のロケーションの物凄さ、これは『マッドマックス怒りのデスロード』の撮影候補地にあがったとかなんとか…それも納得の荒地です。小道具を使って諸々の伏線を張っては律儀なまでにすべて回収していくし、バイオレンスも車のクラッシュも満載のエンタメ作品、大満足です。大陸のロケーションの抜け感、というのか、それがものすごい印象的でした。この日はぶっ続けで観たので体がガチガチになりましたね…
この日の食事:ホテル朝食、昼は駅にあるゴーゴーカレー、夜は近江町市場の近くでハントンライス
脱出 [Blu-ray]

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9月21日(月)
この日はアポカリプト爆音上映からスタート。事前情報でオチまで知ってた上で臨んだのですが、それでも圧倒されてしまった傑作でした。ディテールやちょっとした演技やエピソードの細かい演出が素晴らしい。村の襲撃のくだりやらマヤの神殿での文字通り「心臓を捧げよ!」や首コロコロなど、見せ場もすごい迫力です、凄いなメル・ギブソン。続いて宇多丸さんと高橋ヨシキさんのトーク宇多丸さんの『アポカリプト』弁護士ぶりがすごかったし、間合いを開けずオーディエンスが飽きないようになめらかに話す様にさすがプロだなぁ、と思ったな。あと客席からの質問で「映画を観ながらメモを取るんですか?」の問いに「絶対それはしない、映画に集中したいからそれはありえない」っていうのが、なんかよかった。食事等でインターバルとって、この日の最後は『パッション』爆音上映です。これまたよかったんだ、ただただ拷問されて、いたぶられてるだけの約2時間…なんだけどなんでこんなに集中して観られるんだ?メル・ギブソンは人としてはどうか、と思うようなエピソードだらけだけど、映画監督しては天才的としかいいようがないな、と思いました。
この日の食事:ホテル朝食、昼は近江町市場で海鮮丼、夜は金沢料理
アポカリプト [DVD]

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パッション [DVD]

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9月22日(火)
さてこの日は朝イチの上映から参加。クライヴ・バーカー監督の『ミディアン完全版』爆音上映です。夜の種族たちが築きあげた地下世界。いまなら結構CGでやっちゃうようなところが造形の特殊メイクでやってて(回顧野郎といわれても仕方ないけど)その質感、実体感がいいなぁと思う。コマ撮りまで駆使してますからね。クライヴ・バーカーは「おもいっきりやっていいよ」と言われて嬉々として監督したのかなぁ、などと。嬉々として、といえばクローネンバーグの嬉々として演じてる殺人鬼っぷりもよかったですね。それにしてもだいぶん近視の度がきついみたいだったな。つづいてはジョン・カーペンター『マウス・オブ・マッドネス』爆音上映です。これ、すっごいおもしろかった!こういう入れ子構造とか世界観ってある意味古典だし、それこそ中二的発想ぽいところあるから映像化するにしても超絶しょうもない「くうそうのおはなし」になりかねない。それがちゃんと面白い作品になってる。しかもラストのサム・ニールのポップコーンかかえての泣き笑いみたいな顔の秀逸さったら。
この日の食事:ホテル朝食
ミディアン [DVD]

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マウス・オブ・マッドネス [Blu-ray]

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そうして無事帰阪。でも映画祭は明日まで続いてるし、本当は今日の『ブロブ』も『霧』のモノクロ版上映も明日のトークも『SF/ボディスナッチャー』も観たかった!でも「もっと観たかったな」と思って帰るくらいがいいのかも…来年もまた秋に金沢に行けるといいな、と思いつつ、日記終了。本当、今年観た映画はすべてハズレ無し、おもしろかったな。映画祭でお会いした方々ありがとうございました、そしてかなざわ映画の会の皆様ありがとうございました、来年もよろしくお願いいたしますm(._.)m

*1:なんとなく思い出したのは『ウィンターズ・ボーン』みたいな世界