ビートルズを知らないこどもたち〜映画『アクロス・ザ・ユニバース』とか

今日も残業してくたびれました。仕事モードから眠るまでの気分転換に短くさっくり書いてみます。以前に電車内会話でちょっと印象に残ったことがあった挿話をマクラにして、なにか書いてみようと思っていたのですが、そんなに展開できなさそうないな、と思ったので、この機会に短く書いてみます。
移動時間、特に電車に乗っているときはほとんどiPod nanoを聴いているので、車内の会話などは聞こえていないのですが、先日大阪へ行った帰りに新快速に乗っているとき、たまさか、iPod nanoを聴いてなかったため耳に入ってきた会話にちょっと衝撃をうけました。多分、高校生か大学生くらいの女の子2〜3人でした。「映画の『ノルウェイの森』観にいきたいんだよね」といった切り口で、お話が始まったのですが、「あれ、なんか有名な曲が使われてるみたいだよね」「うん、なんだっけ、なんかクラシックみたいなのね」「しらないけどねー」・・・って。
え、映画のタイトル=曲名言ってたじゃん。クラシックって、そりゃポップス界のクラシックではあるけど、NHK教育の日曜21時くらいからやってる、あの交響楽団のクラシック、ではないし・・・。「ノルウェイの森」ってあぁ、知らないんだ。ビートルズも知らないんだな。
別に知ってるのがえらいとか、まったく思いません。けど、『ふるさと』とか『グリーングリーン』とか、なんでもいいんだけど、そんな曲と同じレベルで完全に“教科書に載る音楽”レベルだと思い込んでいた自分には、結構驚きで。自分だって、『赤盤』『青盤』しか持って無いレベルですが、ビートルズってやたら神格化されてラジオ(とりわけFM、なかでもNHK-FM)で特集やったり、音楽雑誌で特集したりしていたから、知らず知らず常識だと思い込んでた。(過剰な神格化についてはちょっとどうかな、って思っていたけど。)
でも、きっとこういうのって、なんについてもあると思う。ヤングジェネレーション(て自分で書いときながら、なんて表現・・・)にとって『ワンピース』とか常識って思ってるだろうけど自分はまったく知らないし、知りたい欲もないし。あ、でも『ドラゴンボール』とかも全然知らないから、これは世代論じゃなくて単なる趣味嗜好か。えーっと、興味の分野が違うと、それぞれの人のサークル内常識は通用しない、っていう。これは昔も今もそうだと思う。現代のほうがより多様化しているかもしれないとは思うけど。
でも、浅い音楽好きの自分でも、ビートルズはちょっと知ってると、いいかも、とは思う。「ノルウェイの森」はシタールの変な音も入ってておもしろいし、「Strawberry Fields Forever」は不図した瞬間に(サビだけ)口をついて出るくらい好きだし、エリック・クラプトンも参加した「While My Guitar Gently Weeps」はギターがかっこいいと思う。ビートルズはよくTVや街角で流れているから、「あ、この曲」って聴いた瞬間に音の記憶の紐をたぐっていくと、“ビートルズ”に行き着く、という感じでちょっとずつ心に根付いてきたような気がする。
映画『アクロス・ザ・ユニバース』も主人公の名前が“ジュード”で、さぁ、いつ「Hey Jude」がかかるんだろ、と待ってたら、引っ張って引っ張って、最後のほうで流れはじめたとき「キタコレ!」って思った。ちなみに、ヒロインは“ルーシー”で、さぁ、「Lucy in the Sky with Diamonds」は、いつ流れる?と待ち受けてました。そんなにビートルズを知らない自分でも、これらの曲は普通に知ってるくらいスタンダードで。そんなスタンダードな曲って、たくさんの人の脳にその曲の残像・印象が刻印されてるから、その残像ポイントを押すように《二丁拳銃の「ちょうどええ」のネタみたいに》ぴったりのタイミングでビートルズナンバーをかけるための映画だったと思います→『アクロス・ザ・ユニバース』。
・・・でも、ビートルズをしらないこどもたちも居てもいいよ。教条のように教えるものでもないから、音楽って。最後は趣味嗜好。でも、自分はもうちょっとビートルズを聴いてみたいな、残業ループから抜け出せたら、オリジナルアルバムも聴いてみようかな。
映画『アクロス・ザ・ユニバースhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329927