2012-01-01から1年間の記事一覧

『テイク・ディス・ワルツ』

予備知識なしにみにいって、あぁ、こういう映画なのか、とちょっと意外に思った。 ライターの仕事をしている主人公女性マーゴ。仕事のために訪れた外国で運命の出会い…夫は優しいし、彼となら安心な家庭生活を送っていける、でもなにかがたりない気がしてい…

面倒くさくて厄介だけどこの世界で生きるしかないのです『桐島、部活やめるってよ』

大喜利したくなるタイトルでは今年イチニを争ったでしょう(多分一位は『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』)。高校生の屈託や厄介をスクールカーストや女子や男子や部活や文化部や帰宅部や運動部を絡めてひっくるめて扱っているときいて、観たい…

『ぼくたちのムッシュ・ラザール』

カナダ映画ですがフランス語圏を舞台にしているためフランス語映画でもあります。 モントリオール。雪の朝の校庭が映る*1。学校の一日のはじまり。牛乳当番の少年は一足早く校舎内に入り、牛乳を取り教室へ向かう。教室の扉のガラス戸を覗き込むと、そこに担…

ボディライン、太もも、そしてヒップ『クレイジーホース・パリ』

フレデリック・ワイズマン監督が撮ったドキュメンタリー映画です。パリにある最も有名で前衛的なナイトショー「クレイジーホース」をショー、その裏側、練習風景から描き出す、とはいってもワイズマンですからエモーショナルな演出も音楽もナレーションも無…

三部作の終焉『ダークナイト・ライジング』

完結しました三部作。観る人によっていろいろ思うだろうけど、とにかく三部作のラストを飾るには、すわりの良い作品でよかったなぁ、というのが感想。これで収まった、という感じ。前作の『ダークナイト』が異色の傑作という感じで、あれを通過してどうなる…

躁と鬱の間で『それでも、愛してる』

ポスターには『心温まる感動作』と書かれてました。『うつになっても大丈夫』みたいなコピーも書いてたっけ。ポスターや予告の感じからして、こう予想していた。 鬱になった男(メル・ギブソン)。鬱々として、なんのために生きているのやらわからなくなるよ…

最近劇場で観た映画たち『星の旅人たち』『ハロー!?ゴースト』『きっとここが帰る場所』

『星の旅人たち』(2010/アメリカ=スペイン)監督:エミリオ・エステヴェス 出演:マーティン・シーンほか 『星の旅人たち』は『サン・ジャックへの道』を思い出したな。両作に通じるのは巡礼を材に取った映画ということ。巡礼とはいっても距離がやたら長い…

『メリダとおそろしの森』はクマ映画だったクマー

ピクサー映画はそんなに知りません。TVでやってたらみるかな、という程度かもしれぬ。でも、『メリダ』はそのもしゃもしゃした赤毛とスコットランドが舞台、女子が主人公、ということでちょっと観たかったのです。そう、昨年の『ラプンツェル』がよかった…

2012年6月に観た映画をふりかえる

梅雨だったですね。個人的な公的側面ではハード・デイズが続くよどこまでも…という感じでくったりしておりました(くったりは現在進行形継続中)。私的にはかわらず映画を観てました。その間だけでも現実逃避。いいじゃん、エンタテイメントの重要な役割、現…

『苦役列車』

実は『ヘルタースケルター』を観たあとにハシゴしたんですね。で、『ヘルター〜』のタイトルデザインがなんか自分にはピンとこないなぁ、という感じとかをもやもや抱いたままだったんですけど、『苦役列車』が始まって、オープニング:波がどどーんと岩にあ…

『ヘルタースケルター』観たよ

1000円で観られるTOHOの日という好条件もあったので、他者の評が事前情報として入ってくるまえに観てみようと出かけたのでした。原作は連載時に立ち読みで読んでて、その後原作者岡崎さんが不幸な事故にあわれてなかなか単行本が出ないため*1、作品の単行本…

『崖っぷちの男』は『アンストッパブル』で『キャッツ・アイ』な作品だった

どんな映画かなーと思って観に行ったら、まさかの自分的2012年における『アンストッパブル』枠映画におさまるとは。走り出したら止まらない。サム・ワーシントンが窓から外にでたら、そこからゴールにむかってひたすらカウントダウン!飛び降りようとしてい…

ありふれた怪物の誕生『少年は残酷な弓を射る』

不穏な予兆に満ちた作品。そしてこれは、あからさまに、最初から、とある男の子が悪の資質を発現しまくる映画であるとわかる。少年のふてぶてしいような、いかにも悪だくみしたような表情と、彼の資質に気付き、またその“ある意志”が自分に向けられているこ…

『ブラック・ブレッド』はダーク感を醸しだす感じのタイトルだけど実は黒パンのことだ

予告で男性の低い声で「ブラック…ブレッド」とささやかれ、「大人の嘘が少年を悪魔にしてしまう」的なコピーをかぶせられたらいやでも“そちら方面”に想像を膨らませてしまう。しかもスペイン産の映画、となると真っ先に思い浮かぶのは『パンズ・ラビリンス』…

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』

予告を見てとても観たくなったのはアン・ハサウェイのショートカット姿に惹かれたから。観に行って、アン・ハサウェイの魅力は思ったとおり堪能しましたが、意外にもイギリスが舞台なのがうれしかったな。 1988年7月15日。大学の卒業式の日、飲みあかした翌…

スパイディの青春『アメイジング・スパイダーマン』

先行で観に行ってきましたおなじみスパイダーマン!そういえばUSJのスパイダーマンのライドにも乗ってみたいものであるな、とか思いつつ、『500日のサマー』でおなじみになりすぎたマーク・ウェブが如何ように演出したのか楽しみでありました。なんと…

『ベルフラワー』

ホモソーシャル全開なり。でも、それでも主人公(男)は女性を求めて、寝たりする。それでも女は信用できない、やっぱり男同志の関係に最後は行きつく(安住の地という感じ?)とかいう。うーむなんかそこの論理はよくわからん。というか論理なんか無いのか…

俺の団地(シマ)を荒らすヤツは許さねぇ『アタック・ザ・ブロック』

イギリスは根強い階級社会と言われてますね。そんな階級社会の“下層”ともいえる少年たちが主人公。ラップ的な音楽に悪党きどりのニックネーム。夜道を一人歩く女性を脅しつけ強盗。まったく共感できない不良少年ども。それがガイ・フォークス・デイの花火が…

小学生クリエイティブ日記

今月も半ばを過ぎましたがあまり映画みてないな。でも今週末からは『ベルフラワー』『アタック・ザ・ブロック』『ワン・デイ』など観たいと思ってたものが続々公開だし、来週以降も楽しみにしてるものがあるのですが、今週は日記に書くネタがないな。という…

かわいそうな女王セロン様のビューティ『スノーホワイト』

『スノーホワイト』*1はユニバーサル映画なので、上映前の予告で『アヴェンジャーズ』『ダークナイト・ライジング』『アメージング・スパーダーマン』が流れたのです。『アヴェンジャーズ』はともかく、とてもとてもシリアスで眉間に皺な感じの悩みや苦悩を…

2012年5月に観た映画をふりかえる

5月は今年ベスト級にはいるだろう映画に複数出会えてかなり満足でしたよ。 タイトル 映画館 ひとことメモ 値段 未知との遭遇 KAVC 爆音上映一発目! 1,000 デス・プルーフ KAVC 爆音上映が映える! 1,000 エレファント KAVC 静かながら不穏な爆…

英国の空気と詩情『ジェーン・エア』

シャーロット・ブロンテの原作。1847年の刊行以来なんと18回目の映画化という『ジェーン・エア』を観ましたよ。原作は多分未読(最近記憶があやふや)。 ジェーン・エアは幼い頃に両親を亡くし、叔母に引き取られるが虐げられ、結局、教育施設ローウッドへと…

「恋」と「変」は紙一重『私が、生きる肌』

とにかく“ユニーク”*1。それだけでも観る価値あり、と思うのですが、つらつら思い返すとお話のベースは結構定型だな、と思うのですよね。妻を失った男の喪失感。それを埋めるべく妻によく似せた人造人間つくっちゃう狂える博士。フランケンシュタインから連…

ストーカーvsストーカー頂上決戦『ミッドナイトFM』

あなたの耳に語りかける声だけの存在であるラジオパーソナリティは、なぜかとても親密に感じるのですよね。TV番組は作りこんだ感じやセットの豪華さ、非現実感、視聴率とりに行ってる感じ、露骨な広告宣伝ステマ(?)やスタッフの作り笑い声、演出…、それ…

ガールズムービーの傑作!『サニー 永遠の仲間たち』

きっとほかの人は泣かないだろうと思う箇所*1でもすでに泣きそうになり、おぉぅ…これは、と思うまま、結局最後までダレることなく進む物語に引き込まれ、喉が鳴りそうなほどこみ上げながら観終わって、この幸福感を分かち合いたい!と思いました。観終えると…

『ミッドナイト・イン・パリ』

真夜中0時の鐘が鳴ると、シンデレラの魔法は解けてしまうけれど、今作では逆に0時の鐘で魔法がかかるのです。かぼちゃの馬車ならぬ1920年代のゴールデンエイジのパリの知識人たちを乗せたクラシックカーが主人公を迎えにやってくる。夢見がちな作家ギル・…

やっぱり、ここが楽園『ファミリー・ツリー』

予告を何回も何回も観ていました。町山さんのラジオのコラムでの紹介もかなり前に聴いたし、やっと公開かぁ、という感じで観に行ってきましたよ『ファミリー・ツリー』。アレクサンダー・ペイン監督の作品は未見でしたが、今作を観て過去作も観たくなりまし…

バートン×デップ印『ダーク・シャドウ』

『ダーク・シャドウ』を観ましたよ。バートン×デップの安定のコンビです。オリジナルはTVシリーズとのことですが未見。のっけからの寓話っぽさをプンプンとたたえた運び、画作りで、バートンの世界だな!とわくわくするような感じ。デップの髪型やエヴァのル…

『孤島の王』

ステラン・スカルスガルド主演のノルウェイ映画の『孤島の王』を観ましたよ。 「恐るべき子供たち」の系譜映画といえましょうか。ステラン氏は安定の裏側ありそう(しかもかなり黒そう)な役を十全に演じておられました。不良少年を収容する施設で院長として…

2012年4月に観た映画をふりかえる

仕事で多忙でありました(現在進行形)。週末は映画みにいって気晴らし(これは前からと同じ)。 タイトル 映画館 ひとことメモ 値段 ドライヴ TOHOシネマズ西宮 いびつなんだけど惹かれる作品 1,000 ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜 TOHOシネマズ西宮 ラス…