『グラインドハウス』USAver.を観にいった日

先週の土曜日に『グラインドハウス』USA公開バージョンを観にいきました。いわずと知れたロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー』とクエンティン・タランティーノの『デス・プルーフ』の二本立てです。公開当時に相当話題になっていて観たいなと思いつつそのままになっていました。東京であった「タマフル映画祭」(@新宿バルト9)で上映した映画を、大阪の梅田にある系列館のブルク7にて1週間限定のレイトで公開されることとなったのでこの機会を逃すとずっと観ることがないかも、と思って出かけてゆきました。ブルク7の2階下のカンテでチャパティ定食を食べて腹ごしらえはバッチリです。カンテは中津の本店でトータス松本をはじめウルフルズのメンバーもバイトをしていたことで有名ですが、昨今の“客=神”みたいなマニュアル接客じゃなくて、ちょっとゆるい感じがかえって落ち着きます。
さて、映画。20:10〜フェイク予告編ではじまり『プラネット・テラー』へ。つじつまとか、細かいことはおいといて。ゾンビの人口爆発が起こり、チェリーは片脚をゾンビに食われる(でも彼女はゾンビ化しない:細かいことは気にしない)。チェリー、エル・レイと逃げる。逃げた先でチェリーとエル・レイの間に『ターミネーター』のサラ・コナーと未来からきた兵士みたいなくだりがあって、失った片脚の代わりに銃を装着してガンガン撃ちまくって、『ターミネーター』ぽい伏線を生かして終局へ。
続いて、フェイク予告編をはさんで『デス・プルーフ』へ。細々したことやストーリーはこのうろおぼえブログでは置いといて。会話、会話、会話の応酬につづいていよいよ急激な盛り上がり。オーストラリア出身のスタントウーマンであるゾーイが憧れの映画『バニシング・ポイント』に出てきた車種のクルマを見つけて試乗し、超危険なスタントに興じる。これって本当に自殺行為スレスレ、こういうスリルに身をさらすことで震えるような快感を得ているんだろうけど、・・・このスタントがとにかくかっこいい!ちょっと熱くなりました。『バニシング・ポイント』といえばプライマル・スクリームのアルバムタイトルになったときにその存在を知ったのですが、観たいなあ。午前十時の映画祭でやらないかな。ともあれ、『デス・プルーフ』はカースタントの辺りからあがりっぱなし、ラストの気持ちよさは爽快でした。ヤッホィ(と、柄にも無く)。
さて、この2本ともにタランティーノが出てるんですよ。カメオ出演てな感じじゃなくて、結構なボリュームで。そんなガッツリ出演のタランティーノが映った瞬間、それだけで「ワハハハ」って感じで喜んでる人がいました(空席をはさんで隣の方)。『デス・プルーフ』が終わったあと拍手をしはじめた。楽しみ方はそれぞれだから、全然いいよ!間違いなく、本当に心底そう思ってる。でも、自分のようなサブカル的客観視の病(?)にちょっと罹ってた人間には、「あ、この方、『自分はタランティーノ、知ってるよ!出てるのわかったよ!たのしいよ!ということ、ちょっと周りに伝わるかな』と意識して大きめの声出してはるんかな」なんてちょっとだけ思ったりして(でも彼は『デス・プルーフ』のイーライ・ロス出演には気づかなかった様子)。そういや、『エヴァンゲリヲン』序、破の劇場版も、終わったら拍手が起こった、ってコトがネットクチコミとかで広がってた様子を知ったとき、拍手する?どうする?って、周囲の空気読んだりして伺いつつ拍手してみたりするんかな、大変だろうな、と思ったのですが(ちなみに自分が「破」を観にいったときは拍手なかったです)、この『グラインドハウス』もそういう空気があったのかも、とちょっと思ってしまった。素直じゃない、自分。わかってます、ええ。《ちょっといまググったら、やっぱりそんな『グラインドハウス』上映後拍手は局地的にあったようですね》
そんなつまらない自意識はおいといて。映画はわざと昔の質感を出したり、リール飛ばしとかもお遊びで楽しいし、フェイク予告編のバカバカしさがとにかく最高でした。『マチェーテ』もいいけど『感謝祭』がお気に入りです。これから観る方のために内容は書かないでおこう。でも、今頃『グラインドハウス』初見の人って、そんなに居ないか。自分は『グラインドハウス』には公開後3年で観る縁があったんだってことだな。
それにしてもロドリゲス監督もタランティーノ監督もかっこいい女の人大好きだなー。大好きじゃなきゃあんな風に撮れないだろうな、なんて思った上映終了23:30でした(その後阪急電車へダッシュした。)

グラインドハウス
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=328677
『感謝祭』※フェイク予告編 イーライ・ロス監督
http://www.youtube.com/watch?v=ZE7tyW8CYXs
※『デス・プルーフ』の女性たち、かっこよかったな