ベタ炸裂『バトルシップ』

最初に主人公のダメダメなところを見せておいて、ついでに恋愛ネタの伏線もしておいて、かーらーのー…海軍で“たまたま”艦長の役目をやらざるを得なくなり、大活躍を見せ、恋愛までうまく収まってしまう、というベタにベタを重ねたストーリー。地球外生命体がいるかも、というプラネットGに通信電波送るのを画的にわかりやすくレーザー光線的なものをズドォンと効果音つけてるあたりもなんとも頭悪そうだ。エイリアンの造形も『コクーン』で宇宙に旅立ったおじいちゃんたちが、再び地球に帰ってきたのか?と思わせるようなヨボヨボした皮膚感に歯も無いような感じで…まさかの爬虫類な目*1という安易設定!とか…いろんな宇宙人ネタ番組の合成みたいな感じ(トゲトゲの髭はナゾだったけれども)だし、ベタに地球侵略だし、悪者だし(でも敵意センサーにひっかからないものは見逃すけど、高速道路の高架橋を破壊しにいくあたりはどういう基準なんだか?)、タッチパネルみたいの操作して攻撃してくるし…とエイリアンは全体にかなりの適当感ですよな。
音楽でAC/DCとかを使うあたりもベタの炸裂ですよ。つまりそういう80年代的な王道ノリ*2ハスブロの現代CG技術の粋を結集してやってるあたりが、バカバカしくも圧倒される箇所でもあります。あたま空にして楽しもうぞ!しかしサブキャラの退役軍人のエピソードなんかはベタながらもやっぱり胸熱だし、なんといっても駆逐艦JPJと戦艦ミズーリの対エイリアン戦略がおもしろいですよね。ブイと座標で相手の動きを探るところ。あぁいうグリッド線の単純なのがレトロゲームっぽさがあっておもしろいな、と。続いての過去の遺物か記念品である超アナログバトルシップをまさにマニュアルで操作していくところ。極めつきはクライマックスのあの投錨!あんな船のドリフト観たのははじめてでした。なんというゲーム感覚。それをみせつける映像はやっぱりすごい。
あと、もうひとつのクライマックスは、海軍OBたちがドヤ顔で甲板をカツカツ歩いてくるところではないでしょうか!わかってて、なんだかもう笑えてくるほどなんだけど……レッツ、ロックンロールだ!
バトルシップ』(2012/アメリカ)監督:ピーター・バーグ 出演:テイラー・キッチュブルックリン・デッカーアレキサンダー・スカルスガルドリアーナ浅野忠信リーアム・ニーソン
http://battleship-movie.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD20261/index.html

※ベタっていえば、リーアム・ニーソンのキャラもベタでしたな。娘の厳格なパパ。
※浅野くんも活躍でしたね。英語の発音もネイティブにとってはいかにも日本人英語な感じなんだろうかね。
※エイリアンが繰り出したあの球体がグルグル回って攻撃するヤツ、未見だけど周囲でかなり不評だった『ラバー』って映画の殺人タイヤをコレがやればよかったんじゃねとか思ってました(超絶どうでもいいですね)。

*1:しかも太陽光に弱い

*2:『レスラー』でミッキー・ローク演じるランディが懐かしんでたような時代ですよ